2013年11月5日火曜日

「Android 4.4 KitKat」の真の狙い


Samsungが、来年度の販売目標を、初めて比較的“抑え気味”のものとして発表した。しかも「Galaxy S4」に代表されるハイエンドモデルの比率を全体の35%と、さらに抑え気味としている。

販売目標って、株主に対するコミットメント。
とても重い。楽観的な数字を根拠なく並べたら、後で徹底的に経営責任が問われてしまう。

なのでギョーカイで寡占に近い存在たるSamsungの「目標」は、シビアなデータに裏打ちされた、かなり精度の高い未来予測といえる。

つまり、です。

ハイエンドはもう伸びる余地は限られている(景気いいのは超一部)。

一方、新興国では、ミドル/ローエンドモデルのニーズが旺盛。

Samsungは、今まで以上に、自社のリソースをミドル/ローエンド端末に振り向ける、ということ。

この動きと今回「Nexus 5」と同時デビューの新OS「Android 4.4 KitKat」の開発コンセプトは、ほぼ相似形なのでした。

お菓子の「Kit Kat」と同じく、薄くて軽~い食べ心地、ということ。サクッ。GODIVAのチョコみたいに濃厚ではないのです・笑

Googleのクリス・ヤーガ氏によれば、大前提にあるのは「新興国では、あと軽く10億人見込める」(← 超意訳・笑)ということ。

たとえば、です。先日の「iPhone 5c」騒ぎで明白となったのは、その美味しいマーケットにAppleは喰い込めないということ。だって高すぎるから。Appleのビジネスモデルが崩壊しちゃうので、手を出したくても手が出せない.....。


まさにGoogle入れ喰い・笑

ただし、Googleが懸念してるのは、ハイエンドの3倍のスピードで拡大している新興国マーケットのうち、現在でもその1/4が「Android 2.3」で発売されているということ。これは低価格を優先したハードウェアの仕様のため。具体的には512MBのメモリのせいで、Android 4.x以上が実装できない。

これを放置すれば、ますます断片化が進んでゆくし、ユーザー・エクスペリエンスも進化しない。

そこで端末メーカーの設計の負担を減らしつつ、ロースペックのハードウェアでも動く、「Android 4.4 KitKat」を開発したとのこと。


今ある2.3端末をどうの....というオハナシではなく、今後は、2.3端末と同程度の価格にもかかわらず最新4.4端末が手に入るという選択肢を作ろう、ということでしょう

激しく垂直統合なSamsungのビジネスモデルをよしとしないGoogleですけれど、新興国市場で2.3端末をこれ以上増やさない.....という部分では、1台でも多く端末を売りたいSamsungと利害が一致すると思います。

ハイエンドスマホしか売っていない、なんだかんだ言っても金満ガラパゴス島のバヤイ、いまいちピンと来ないオハナシかもしれません。が、たとえばアメリカなどの場合でも、所得が低くなるほどにネットのアクセスがスマホ経由となる比率が高くなるそうです。

「ひとりでもネットに接続できる人を増やす」というのがGoogleの一大ミッションなわけでして、とりあえず、そこそこの金持ちは置いておいて、ここは絶対多数の確保が見込めるマーケットにリソースを傾注するというのは正しい選択なのは間違いありません


ハイエンドの世界が一息ついたから、とも申せましょうか。

金満ガラパゴス島だって、ハイエンドスマホの価格高騰が、ガラケーからのスマホシフトの低くない障壁となっているのは間違いなく、今後の日本でも、着実に価格コンシャスなスマホのニーズが高まってゆくことでありましょう。

ということで......

「Nexus 4」でずっとAndroid 4.3を使っていて、速攻でGooglePlay版「Nexus 5」を購入した....などという方々のリポートを眺めても「大して違わん」というご意見が多い様子。

Android 4.1以上、つまり「Jellybean」で動いているスマホをお持ちの方は、当面、そんなに気にしなくてもいいのでは? という印象をもちます。

個人的には、ほぼ間違いなく「Nexus 5」は何らかの手段で購入する予定ですけれど、すぐに手を出すモチベは、かなりのレベルで減衰しました・笑 新OSに対してのアプリベンダーの対応ってのもかなり大きいですし。

勝手な推測では、このタイミングですと、年末のホリデーシーズンイン前までには、「Android 4.4 KitKat」にバリっと対応したバージョン出そうねぇ....みたいなアプリベンダー各社のタイスケではないでしょうか


潮目は明らかに変わったのではないか、と。

とりあえず、いぢょ。

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