2013年11月7日木曜日

ドコモとApple、そしてGoogleから「Nexus 5」


ドコモとAppple。iPhoneとそれ以外(Android他)との販売比率契約は、「4対6」と言われている。

当初、ドコモ側は最大25パーセント、Apple側は50パーセントを提示していたらしく、どちらかといえばドコモ側が折れた状況と言えるでしょうか。

とにかく、Android陣営としてみれば、それまで10あった杯が、6に減った、と。

Samsung、ソニー、シャープ、富士通、そしてLGの5社で、その少なくなった杯を均等に分けあったとして、一社あたり= 12パーセント程度にすぎない。

プリセットされているiPhoneの40パーセントには到底及ばない。

特にSamsungあたりの忸怩たる心中は察して余りあるものがあるでしょう。

ただし、この「40パーセント」という数字はドコモとAppleの特別契約。

au、そしてソフトバンクの場合は、もっと高いiPhone比率が設定されているはず。

特にソフトバンクに関しては、「iPhone比率の設定が8割」とかの設定でもおかしくはない。

そもそも孫社長はJobsさんとの特別な親交の中で、かなり早めに初代iPhoneのプロトタイプに触れていたよう。先日も自ら明言したように、「量産モデルの目処がついたことを確認してから、ボーダフォン・ジャパンの買収に動き始めた」のでした。

とはいえ、仮にiPhoneがコケたら、ボーダフォン買収のための約二兆円がブッ飛んだわけで、きっと、我々が今、孫社長の御姿をお見かけする機会はほとんど無くなっていたのではないでしょうか。

孫社長は勝算あったというけれど、どう考えても“二兆円ブっ込んだ賭け”でしょ、これ。北尾氏とか逃げ出すキモチも分からなくはない・笑

契約上、「販売比率」という条項は当時から存在していたはずで、Androidも存在しない時代、iPhoneコケたら自らもコケる孫社長としては、販売比率なんて、「全部でいい」くらいの勢いだったのではないでしょうか。

で、ついに「ドコモがiPhoneを扱うようになった。販売比率は4割らしい」となれば、当然、孫社長は、契約上だけでも、自社に有利となるよう、Appleに働きかけるはず。

けどきっとAppleはにべもなく「No」でしょうね。「おまえさんは今後も林檎専業店として、我々の下僕として忠誠を尽くしなさい」と言うでしょう。神が如く。

ここで孫社長がキレたとしても、Appleが「ぢゃあヲタクとの契約は全面解除ね」のひとことで終わりでしょう。

ソフトバンクの「2013-2014 冬春モデル」のAndroidなんてシャープと富士通の実質3機種しかないのです。Appleの言うこときくしかないぢゃん。

さらに、どうもドコモとAppleとの関係は、一キャリアとの販売契約だけではない。

そもそもAppleは通信関係のパテントをあまり持っていない。PC屋育ちなので、ノウハウのほとんどは、ここ5年程度で蓄積したもの。

そもそもSamsungとは訴訟沙汰で犬猿の仲である(Samsungが逆提訴したのもLTEに関するパテントだったはず....)。

GoogleはMotorola買収によって多くのパテントを既に取得済みである。

ドコモが多く抱える、特に次世代通信に関しての技術的な協力関係を構築すること。これこそ、Appleの狙い。そもそもドコモとの契約が何度も流れたのも、Appleがハナからそれを狙っていたからなのでした......。

なので、今の様子を表面的にみれば、新参者のドコモがや~っとiPhoneをオドオドしながら売りに出して、しかもiPadとかまだ売らないんでやんの~、やーい、みたいな風情ですけれど、水面下では、次期iPhoneに向けてのドコモとAppleの親密なるリレーションが進んでいるとしていいでしょう。

ドコモ巻き返しの起爆剤として、ドコモ独自の新通信規格に対応した「iPhone6」なんぞが計画されていて、当然、その通信網は、auやSBMの「iPhone6」では使えない......みたいな状況が予想されるわけです。同じ「iPhone6」でも、ドコモのヤツは、全然違うよ、みたいなぁ。

だから想像以上の「ドコモ・Apple連合」なのではないか、と。

お互い垂直統合で支配大好きな似たもの同士のDNAだからこそ、強く反目しあったわけですけれど、何らかのカタチで両者のバランスが変化したことで、まるで磁石が裏返るように、ガチっとくっつき合って、しかもお互いの磁力が強いので、もうガッチガチにくっつきあう...... みたいな感じですかね。

で、孫社長の動き。

米・スプリント ネクステル買収によって、売上高では既にドコモすら超えた、と。

さらにアメリカ最大手の携帯卸しであるブライトスターを買収した、と。

以上をしなかった場合、どうなるか?

日本第3位の通信キャリア位置が固定化して、今後さらに親密になるだろう「ドコモ・Apple連合」の前に下手すると、MNPされまくり.....みたいな状況が遅かれ早かれやってくるのでは?

そして今回のイーモバ「Nexus 5」独占販売、です。

端末代も含めて月々、約5,000円。確かに上限5GBの縛りはキッツいけど、通信品質はソフトバンクそのもの。春からの900MHz帯LTEも使えるぞ、と。

イーモバがどうしたというより、やっぱり孫社長からの「ドコモ・Apple連合」への嫌がらせと考えたほうがいいのではないでしょうか。イーモバに対してソフトバンクは出資比率を下げて、表面的には、別会社としたわけですし、ソフトバンクとAppleとの契約に関しての、“抜け道”になっているのかもしれない。


そもそもイーモバの千本会長は、その年季からいっても孫社長を越える超筋金入りのアンチNTTなわけでして......。まったくもってイーモバ「Nexus5」、素敵すぎ・笑

孫社長とJobsさんが夢を語り合っていた幸せな時代は終焉し、結局、リアルパワーもっていないと、有利な条件を引き出せない新時代に向けて、孫社長は積極的に動いたということか、と。


冬春モデル発表会のあの孫社長のアンニュイな表情は、ひとつの恋愛が終わった寂寥感から生まれるものだったりして.....・笑

「もう、iPhoneの新製品発表会なんぞには行かないぜよ」と。

また孫社長はTIZENとかの新OSなんぞ、ちーとも眼中にないと明言もしている。

つまり、Androidだ、ということでしょう。つまり、Googleだ、ということでしょう。

来年にかけて勢力図がガラリ、まるでオセロゲームみたいに変わるのかもしれない。

戦国時代は続く。楽しみですね。

いぢょ。

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