2012年11月23日金曜日
「HTC J butterfly」考察
HTCの発表会を興味深く眺めた。もちろん主役は「HTC J butterfly」。
特に「ほお」と思ったのは、基本構造。
従来のスマホの基本構造は……
モニタパネル + 基盤 + バッテリー という順の積層構造。
が、「J butterfly」は……
モニタパネル + バッテリー + 基盤 という順序
つまり、モニタと基盤でバッテリーをサンドイッチしているってことですねっ。
「J butterfly」のホットモックに触れて、その美しさに感動したクチですが、その筐体の美しさを支えている要素のひとつが「電池交換不可」という部分。蓋を開け閉めする要素が無い分だけ、緻密に筐体を構成できる。
が、そもそもバッテリーが、モニタと基盤に挟まれている……というのは昨日、知ったのでした……。
なぜわざわざそうした位置にバッテリーを配置したのかといえば、バッテリー容量を確保したまま、筐体をラウンドさせるため。つまり、持ちやすくするため、と。
ここで気になってくるのは「発熱」。
対策のひとつとしては、サイドのハニカム状のスリット。これはきっと放熱対策だろう。
そしてもうひとつは28nmプロセスで作られた最先端のクワッドコア、クアルコム「SnapDragon S4 Pro」の性能。パフォーマンスアップと同時に電力消費や発熱を抑えているのだそう。
「CPUの進化が筐体のデザインを変える」の典型例となっている。
で、昨今、ソニーとかSamsungの5インチFHDスマホのリークが増えてきた。
ソニーは、そもそも「ジャパンディスプレイ」の親会社のひとつ。「J butterfly」の5インチFHDはジャパンディスプレイ製だと予想しているのですが、同じの使えばモニタ問題はクリア。そしてそもそもソニーはクアルコムとの関係性が強いので、予想されている5インチモデル、開発名「Yuga」もCPUは「S4 pro」であろう、と。
一方、Samsungの場合は、CPUを自社製にシフトしていて、実際問題、クアルコムのS4 proよりも遅いというベンチテスト結果が出ている。またモニタも自社製にこだわっており、やっと4.99インチのSuperAMOLED(有機EL)のFHD開発に成功したと報じられたばかり、と。
現王者がSamsungであるのは間違いないところだが、そんな王者も特に「HTC J butterfly」の存在にはビビっているのかも……という予測が成り立つ。
日本に於いては、そもそもドコモとSamsungの関係性は深く、それに業を煮やしたau田中社長がHTCのピーター・チョウ社長を直接口説いたのは有名。
夏モデルの「HTC J」は販売的にも大成功だったという。
が、Nexus初号機の製造販売という名誉を得たHTCであるものの、Nexus One以降はSamsungにその座を奪われ、AndroidのシェアでもSamsungに大きく水を開けられてしまったのが現状。
また天下のKDDI様が、なんで新興企業でありつつ台湾のHTCを選んだのかと言えば、国産勢の開発能力への疑念と共に、富士通とかNECなんかが、旧電電公社時代からNTTとは昵懇というのがあるのだと勝手に予想する。端末もそうだけれど、通信インフラの超オイシイ、B to Bの世界での関係性が深いのでは?ということ。
また発売3ヶ月の差が超デカイかもしれないギョーカイに於いて、やはり創業社長たるピーター・チョウ氏のスピード感も超大切、と。
まあ田中プロはあえてHTCを選んだということ。
実際、端末ひとつ、iPhone5だけで、これだけ人が動くのであれば、Androidだって「キメキメ」な1台があれば、ソートーに市場は動くのかもしれない……。
しかも発表会で感心したのは、あんましハイエンドであることを強調しなかったってこと。チョウ社長のほうはそっち方面に走ろうとするのだけれど、田中社長が制するわけ。特に唸ったのは「このスマホはカメラが凄い」って田中社長が言ったところ。
田中社長だって、自称ヲタクですからね・笑。
対ヲタではなく、スマホって何?とか言っている人たちに向けて、まず分かりやすい「価値」であるところの写真機能を強調したわけ。
僭越ながらじつはワタクシも周囲でなぜかスマホ買っちゃって「どうしよ?」とかいう、ジブンでてんで機能を勉強しないような女性には、まずは「カメラぢゃんぢゃん撮ってみたら?」と言ってきた。で、バシバシ撮っているうちに、いろいろやりたくなるでしょ、と。その時になってからクラウドとか、SNSとかお勉強してみたら、みたいな感じ。
チョウ社長はスペック自慢に走ろうとするわけ・笑。けど、田中社長はシンプルにひとつ魅力を言えば「カメラ」って言い放ったわけ。超ハイエンドスマホの発表会で社長があえてひとつ言えば「カメラ」って言うんだよ~。ビックシした・笑。
もちろん田中社長の個人の意見だけではなく、ハイエンドスマホをどう広いユーザーに所有してもらうか?という商品企画の具体的アプローチは社内で共有はされているはず。ミドルレンジの「HTC J」ならいざ知らず、今回の「J butterfly」も、メインキャラは乃木坂46だしぃ。
インカメラを女子の自分撮りニーズに特化させるとかも超感心させられたしなぁ。
まだ稼働機を実際に触れていないワタクシですが、とりあえずチェックしてみたいのは「モニタの質」。
ハイレゾだけでは価値は語れないと思っている。バックモニタの輝度の変化に、描画性能がどれだけ影響を受けないかがとても大切と感じているところ。輝度を落とすとコントラストが低下して、見難くなり、逆に輝度を上げると眩しすぎる……てのが最新Retinaに関する印象だったりするもので……。
とにかく、です。
「HTC J butterfly」、「Galaxy S4」の脅威になるのかもしれない……と思い始めたところどす。
いぢょ。
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