2012年9月24日月曜日

「iPhone 5」まとめ


結局、SBMの状況にあわせて、auが800MHz帯のプラチナLTEを使えなかった……。

日本国内に於ける「iPhone 5」に関しては、これに尽きると(勝手に)思っています。

au田中社長の弁によれば、「2011年末の段階でAppleからは、“次の”はLTE大前提でゆく」と内示があった様子。

ただし、その時点でSBMは、総務省から900MHz帯のプラチナバンドはゲットできていなかった。もちろん認可をもらえるかどうかも定かではありませんでした。

ただし、auは既に、800MHz帯と1.5GHz帯のデュアルバンドでLTE化は進めていた、と。

iPhone5がどうこうではなく、「LTE化」そのものがギョーカイの流れ、ですからね。

ここで孫正義の立場になって考えてみましょう。

2.1GHz帯しかもっていない、のです。900MHz帯がもらえるかも分からない。

しかも自社のビジネスはApple製品中心で構築している。

ここでauが800MHzのプラチナLTEを中心にして、“圧倒的に繋がる・圧倒的に速い”を前面に出してきたら、テザリングがどうしたこうしたのレベルではなく、SBMの未来は決定的に。

そういった状況をApple本社も是とはしないでしょう。

一国で2,3社のキャリアが競合する状況がAppleにとっては理想です。

当然、調整するでしょうね、レギュレーションを。

結果としてauもLTEに関しては未整備だった“2.1GHzでの10MHzの帯域”という、SBMと基本的に同じ土俵でiPhone5をリリースすることとなったわけです。

この部分に於いて、個人的にはSBMを非難するつもりはまったくありません。マジでiPhoneを基本に据えたビジネスモデルが崩落しちゃうもの。またAppleが親しきビジネスパートナーとしてのSBMに対して調整をはかるのも仕方がないことでしょう。

ただし、auもただ単にAppleからのオファーに唯々諾々としたわけではなかったよう 。

それが「EVDOマルチキャリア」。3Gでの最新技術ですね。iPhone5でこのシステムに対応しているのは世界でauだけ、という点をみても、SBMの立場に配慮したレギュレーションを受諾する代わりの“特別装備”としていいと思います。 Appleもオトナですね。

では、一体いつiPhoneが“プラチナLTE”対応するか、ですが、SBMの900MHz帯でのLTEサービスインは「2014年7月」とアナウンスされています。2013年ではなく、2014年。つまり2年後のこと。

iPhone6の季節ですね・笑。

まあ、ここまでのAppleも含めた“オトナの大前提”はいいんです。

でも今回の一件で、孫正義っていう人に対して、“分かってて適当な数字を並べ立てる嘘つき”というのが明らかになってしまいました。とても残念です。

本気で尊敬していただけに、残念。

今までも酷かったのかもしれませんが、こちらに知識が無かったので分かりませんでした。

しかも本日、iPhone5発表後の緊急記者会見の模様も見返しましたが、後半の“Q&A”での日経の記者からの“都内のLTE、可動エリア”の質問もカット済み。UstreamそのものがSBの子会社ですから何でもアリですけれど、酷いな、と。

「特に山の手線内はトラフィックがヘビーで、LTEの立ち上げは慎重に行なっています。年内には、ご満足いただけるレベルにまでもっていきます。ご期待ください」でいいじゃないですか。年内ってのがウソだとしても・笑。

個人的にはSBMに現在、今は一銭も払っていないし、とりたててファンでもない。

でも、本気で、孫正義にはガッカリすることとなった……。

そもそも昨年暮れ「もうそろそろAndroidチェックしないとヤバいかな……」ということで、「Galaxy Nexus」と「Galaxy S2 LTE」を比較検討したところから個人的な「???」は始まっている。

Xiって何? LTEって何?ってレベルの段階から・笑。

ドコモは、商品構成や宣伝も含めて「Xi」を前面に打ち出していた。

で、当然、「エリアは?」となって調べた。

その時の衝撃は今でも忘れられない。東京でも環八以内だったですよね。

テレビなんかでは「最速、最速」とか言いながらタレントが端末の宣伝しまくっている。

個人的な常識では「あり得ないことが起こっている」というものでした。

auの田中社長も「まさか2011年年末の段階でここまでXiを前面に出してくるとは思わず、びっくりした」と語っている。

きっとドコモのXiも本格的なサービスインはauやSBMと同じく、2012年の秋冬だったんだと思います。もちろんLTE規格をリードする企業でもあり、前宣伝も兼ねて「限られた顧客に最先端の端末を」みたいなモデルは用意したとは思います。けれど、それは決して「全面展開」ではなく、「一部の方々へ」と断りを入れたものだったはず。

ではなぜドコモはびっくりするほどXiを前倒しで全面投入してきたのか。

それは「3G回線の逼迫度が半端ない領域まで高まっていたから」でしょう。

何を言われようがなりふり構わず新規スマホユーザーを3Gの回線から遠ざけたかっただけ。

ただし、それでも年末年始のメリクリとあけおめで何が起こったのかは皆さんご存知のとおり。

また今回のiPhone5、日本モデルではauもSBMも「3G固定」のスイッチが設定されていますね。

「LTEを優先的に掴みにゆく設定」と「3G固定」の切り替え設定です。

auにしたってLTE基地局は整備途上、SBMは回線の逼迫度が半端ないようですが、それでも「3G固定」のスイッチは設定しています。

でもドコモにはそんなグローバル端末には当たり前の、ユーザーの立場に立ったら必須の設定さえ用意されていない。

地方のまるでXi圏外の人たちのキモチなんぞ、てんで考えておらず、都心のトラフィックのことだけ考えている証拠なんですね。

そもそも「スマホ増加によるトラフィックの加速度的な増大」なんかは予測できていたことでしょう。顧客数の多いドコモとすれば、何処よりも素早く対応しなくてはならない。ただし、それには資本投下も含めた小さくない「決断」が必要とされる。

それが出来なかった結果、あわてて、すべてを日本全国規模のユーザーにおっつけようとしているわけ。

しかも莫大な宣伝広告費を今までどおり投入しつつ……。

また2012年夏モデルを購入した人の様子を伺うと、決して、Xiの電波状況は改善されておらず、むしろ悪化しているのではないか?とおもわれる事例も多い、と。

あとApple。今後特に移動端末に於いては、地図データってのが、情報のハブのさらに大きな要素になるのは自明であり、「自社地図」に拘るという意図はとっても良く分かる。

けど、中身が当然大切であって、このレベルのものを平気な顔してユーザーに押し付けてくるってのは、冷静に考えてありえないと思う。

もちろんAppleはその手のことを何度もやってきている。だから昔みたいな素直なアップルファンではいられなくなっている。個人的に。

もちろんびっくりするようなスピードで改善される可能性は否定できない。けど、出発点が「餃子の王将 駅」ぢゃねぇ。想定外すぎて、腰抜かしたぜよ。

個人的にはバカバカしくなってiPod touchはキャンセルしましたヨ。

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