2014年6月3日火曜日
まさにドヤっ! Apple 『WWDC 14』にてクックCEOの真の実力が炸裂!【iOS8】
まさに怒涛、でしたね、今年のApple デベロッパーズ・カンファレンス『WWDC 14』。
そして、これこそ、ティム・クックCEOの真の実力でございましょう。
個人的には、2012年秋発売の『iPhone 5(iOS6)』までが、Jobs CEO時代の“キモ”が入った作品だったと捉えております。
一方、『iPhone 5』開発中の時点で、現在CEOのクック氏の担当は?と言えば、製造のためのサプライチェーンだったと記憶しております。
ハードウェア面での『iPhone 5』の大きな特徴としては、モニタサイズが3.5インチから4インチへ、そしてそれまでの3G端末からLTE端末へ、だったと思います。前者の場合、それまで以上の莫大なる“買い替え需要”の発生が予測されます。後者の場合は、LTEの周波数帯は細かく分かれていますから、3G時代以上に地域ごとの対応端末を増やさなくてはいけない......という命題が発生します。
しかも、ほぼ同じ時期に、世界中で販売開始するという一大ミッション.......。
「変わり映えしない」などという揶揄も少なくなかった『iPhone 5』でしたが、Appleの屋台骨を支える商品なのは間違いなく、特に新規性を原因とするトラブルを避けつつ、かつ世界中へと一気に流通させねばならなかったのでした。
なのでどちらかと言えば、ソフトよりもハードに重きが置かれていた印象です。
ただし、代わり映えのしない、別の言葉で言えば保守的なソフトウェア・ファクターの中で、際立った変化がひとつあったと思います。
それは、『Google 排斥』です。
iOSレベルでも、アプリ・レベルでも、可能な限りGoogleの匂いを払拭すること.......。
クラウドサービスそのものに、ネットの価値が移行する時代にあって、クラウド時代を牽引するGoogleの各種サービスを、ほぼシャットアウトしてしまった........。
そしてそんな「キモ (肝・きも)」を入れたのは........きっと当時のJobs CEOだった、と予想します。
『iPhone 5』発売時点では、既にCEOの地位にあったクック氏ですが、Apple創業者の意思というか遺志を貫いて、初期コンセプトのままに『iPhone 5』を世に送り出したのだと予想します(泥をかぶるのは覚悟、という“漢”っぷりで....)。
ただし、その後こそが、クック 新CEO、本来のお仕事.......。
『iPhone 5s/5c』と同時デビューした、『iOS7』に触れてみれば分かりますが、iOSレベルでも、アプリレベルでも、Googleを利用価値のあるクラウドサービスとして積極的に受け入れています。
また同時に、特にAndroid 4.x系の優れたUIを積極的にパクリつつ、かつ、さらに洗練させれたものに仕上げた印象をもちます。
iOS6での基本コンセプトを直ぐ様、軌道修正し、保守的に過ぎるUIをとっとと最新モードへとチェンジさせてしまった、と。
またiPhoneの場合、その高額さが災いして、需要は停滞気味とされています。特に、先進国では......。
ただし、世界で“とある国”だけが、iPhoneのシェアを一気に伸ばす潜在ニーズを抱えていたのでした。
どこか? もちろん、日本。
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具体的戦略は........ドコモ攻略となります。
このミッションもクックCEOになってからのものですね。
具体的手段としては、ドコモ、au、ソフトバンクという3大キャリアに、わずか一機種で対応してしまうこと。iPhone 5sで言えば、型式『A1453』というスペシャルモデルを開発することがまずひとつ。これはロジスティックや在庫管理の効率化にも貢献する、と。
そして、その『A1453』を、キャリア用SIMロック端末とは別に、「SIMフリー版」も睨んで開発すること。
ドコモが契約に「No!」と言ったら、ドコモSIMに対応するSIMロックフリーモデル投入。喜んでそれを購入する「ドコモ大好きユーザー」が少なくない数、現れることでしょう。16GBモデルで、7万円を軽く切る価格設定を現実に実現していますしね。
ただし、ドコモからのポートインを絶大に期待するauやソフトバンクにとっては、大迷惑。特に孫社長は、結果としてAppleに高い利益率を提供している日本のビジネスモデルが破壊されてしまう、としてクックCEOを強く牽制していたと思います。
ただし、株価がギンギンに下降中だったAppleにそんな余裕はあまりない。もちろんSIMフリーモデルを出すかどうかは、CEOの決断次第。出さない決断も選択可能、と。
あと、もうひとつ。
ドコモの周波数帯にあえて対応している端末を開発しておけば、ドコモとの契約交渉をギリギリまで引っ張れる、というのもあります。きっとこっちが本丸。
ドコモとパートナーシップを結べば、特にLTE-Advance等の最先端通信技術のパテント問題から、Appleはフリーになることができるからです。
あと、auの800Mhz帯のプラチナLTEに『iPhone 5s/5c』が対応するよう許可したのも、間違いなくクックCEOの.......決断。
Jobs・孫 ホットライン時代の因習から、クックCEOは、とっとと決別してしまったと予想します。
孫社長の意向を鵜呑みにしていたら、きっと今頃「iPhoneは繋がらない、しかも遅い」ってことに、日本ではなっていたはずですから。もちろん孫社長が慌ててイー・モバイルを買収することなんぞも無かったことでしょう。
で、今回の『WWDC 14』。
クックCEO体制になってから初めての商品性そのものに対する「総括的なお仕事」だったと感じます。
CEOなった直後は、喫緊の修正とか、ディティールを調整するお仕事。
そして今回のは、Appleの新しい時代の幕開けに向けた、クックCEOの言葉を借りれば、「プラットフォーム、ハードウェア、サービス」というトリニティの再定義というか、再構築ですね。
自社の強みをさらに強く、他社に負けているところはとっとと修正する、といったところでしょうか。
当たり前ですけど、これができない会社のほうが多い気がします........。
具体的には、人気のあるPCブランド、タブレット、スマートフォンという端末3大カテゴリーを手中にしているメーカーは世界でAppleだけ。これ絶対的な強み。
今回発表の『OS X Yosemite』では、『iOS8』との連携を積極的に向上させるのが命題。
次に負けているところですが、これは主にスマホの対Androidに関してでしょう。
具体的には、『Quick Type』。言語入力での予測変換の強化。
同時に、サードパーティ製のキーボードを受け入れるとのことですが、IMEをApple謹製のものとリプレイスする内容ではないのでは?と思ったりします(Appleがあえて“キーボード”と表現している部分を、ぜひ....)。
手書き入力とかのインターフェイスの部分だけは、サードパーティを受け入れるけれど、“予測変換”みたいなAIの部分に於いては、Apple謹製のままなのでは?と。
というのも、言語(単語)に関するユーザーの“リアルな選択”は、Appleにとっては貴重な“資源”となるからです。Siriに代表される音声認識は、今後さらに重要になってゆく項目です。文脈の中での様々な単語のあり方って、とても大切なわけですので........。もちろんリアルワールドでの言葉の使い方って日々変化していますしね.......。
そして、クックCEOが言う、「サービス」の要素では、『iCloud Drive』でしょう。
まあ、Apple版「Dropbox」そのものなのですけど.......。iPhoneやiPadで撮影した写真をクラウドに上げて、PCも含めて一瞬で各端末を同期してしまうというシロモノ。PCの場合は、Windowsマシンもサポートしているところなんぞ、クック新時代を感じさせます。いや、iTunesだって、とっくにWinに対応しているんだから、今更かな....。
ただし、やたら閉じててイジョーにケチくさい、現行の『Photo Stream』なんかと比較すると、オープンだし、価格設定もリーズナブル。Appleの生態系に深くユーザーを取り込むための武器は、このぐらいぢゃないといけませんね。
あと、SMSの『Message』は、音声入力とかビデオ入力とかも出来てなかなかに新しいかも。けれど、相変わらず、SMSする相手先がiPhoneか否か、ユーザーは思い出す必要があるわけで.......。この辺りはAppleは変わらないし、変わるつもりもないのかも........。我が国では『LINE』の天下は続く......のは必至、と。『LINE』がパクれば、それでオッケー.....。
『Interactive Notifications』では、サードパーティのアプリにも対応。素晴らしい。Androidみたいなウィジェットをどう表示させるか?、に対する答えでしょうか。
さらに『Extentibility』。Androidの“インテント機能”に近いアプリ間での情報のやり取りが可能になったのでした。
とにかくAndroidと比して、ネガとされている部分を、Apple流のやり方で徹底的に潰しに掛かって来ているところが凄い........。グっチグチ言われなくたっても、とっくに分かってんだよ、ゴラ゛ァ~的な迫力をマジで感じましたです、はい。
あと、“未来への芽”とも言える『Health Kit』、とか『Home Kit』等も、開発者向けSDKも含めたところで、他に先駆けたカタチで、リリースしてしまった。いつまでもグズグスしているAppleみたいなイメージもこのあたりで払拭できるような気がします。
ギョーカイの人にとっての超目玉は、『WWDC 14』の最後に発表された、Objective-Cに替わる新プログラム言語『Swift』だったとは思います。
ともあれ、Appleとしては、各種デベロッパーの皆さんに対し、“確かな収益をもたらす林檎園”をしっかり守りますので、ぜひ最先端のツールをご活用いただき、Appleにも莫大な収益をもたらす、各種ソフトウェアやアプリを、ぢゃんぢゃか作ってくださいねー、だったと思います。
さすがのGoogleとしても、今回の発表内容の質と量に関しては、「う゛」とか一瞬なったと思うんだけどなぁ.......。
クックCEOは心の中で絶対に「ドヤっ!」と言っていたと思います・笑。
とりあえず、いぢょ!
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