2012年4月16日月曜日

「スターバックス」について

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最新のカンブリア宮殿は「スターバックス」でして、ななんとCEOのハワード・シュルツが出演していた。でも、いつものスタジオでの収録はナシだし、当然、肖像権には厳しいので、番組HPでの(ほとんど無修正な)動画配信もナシ。

ちょっと前のカンブリア宮殿はマクドの原田CEOで、氏が就任して以来の驚異のV字回復を自分なりに考察してみたのですが、原田以前の凋落のマクドの時代、番組中では触れられていなかったけれど、「絶対にスタバの存在が大きい」と考えていただけに、マクドの回からわずかで「スタバ」となって、かなり驚いたのでした。

ちなみに日本のスタバは95年、銀座に一号店が開店。これはアメリカ以外では世界初出店。SAZABYが業務提携というか、熱心に招致した結果。また、マクドの凋落は97年の消費税増税5%の年から始まっており、スタバのオサレでチト高めなのとは対照的にデフレの先陣、超激安バーガーでブランド力を落としていったのでした…。

番組中ではスタバも怒涛の出店を繰り広げてきたことが分かるが、転機は訪れる。それは2008年。そう、リーマンショックの年。赤字転落。ここでシュルツは、店舗の削減を決断する。しかもすっごく早い決断だったので驚かされた。マクドの原田CEOも同じく店舗の削減、店舗構成の刷新を明示しているけれど、じつはこのタイミングはシュルツCEOよりも遅かった、のでした。

スタバ成功物語的な本とか記事とか読んだことなかったのですが、「アメリカの新業態」として味だけでなく、空間やら、従業員に対する手当だとか、原田氏が一切、参考にしていない……とするのは合理的ではありませんね、やはり。

たとえば原田マクドで「へぇ」と思ったのは単純な店舗数の削減だけでなく、ドライブスルーのある郊外型の大型店に軸足を移すことで、駅前系はそのままに、フードコートみたいな出店を特に削減してゆくという部分。フードコートでは空間を専有できないし、そのまま値段をたこ焼きとか焼きそばとかと等列に比較されてしまうから……だと思ったわけです、ワタクシは。原田マクドは値上げに熱心ですしね・笑

番組中シュルツCEOは、イタリア体験での「味」そのものはもちろん、カフェの居心地の良い雰囲気に感動して、それをアメリカで実現したかった……という部分を強調していたわけですが、味そのものではやはり独自性には限界があるわけで、「店舗空間」という付加価値は、やはり外せないのでしょう、マクドでも。ただし、スタバは(比較的)都会、マクドは郊外もという風に「基本的な布陣」が異なるわけですね。

あと、日本でのスタバメニュー一番人気は抹茶フラペチーノとかで、「え、コーヒーぢゃないの?」と思ったのは事実。

マクド調べていた時、スタバのIRもチェックしてみたのですが、やはり日本でも都心型のスタバはリーマンショックの影響を明確に受けているのです。また店舗数が増えすぎれば「飽きられる」という傾向もアメリカと同様でしょう。東京の大学とか入ったばかりで「わー、スタバがたくさんあるぅ」と素直に感動している若人も2年も経てば……でしょうしね。

まあ日本の外食産業って年間七兆円以上ものボリュームがあって、不況不況と言ってても、「当たれば大きいんだな」とはスタバでも実感する次第。戦後のモノが絶対的に不足している時代と違って「ただ安ければ、客が喜ぶ」というわけではない。日本の内需ってデカイんですね、やっぱり。特に東京にいると「地方都市の衰退」とかソートー実感しにくいんだろうな…。



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