2012年3月26日月曜日

続「マクドナルド」について


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やっぱり「結果」が凄い。
ただし、よく見ると「元に戻った」……とも言える。
上のグラフを確認すれば、やはり1997年が節目。
よく言われている「97年変動説」はマクドにも当てはまっている。

大きいのが橋本政権下の「消費税5%化」。
さて、マクドの業態を素人が眺めてみれば、
出店料とかテナント料が激高なのは間違いないだろう。

もちろんアルバイトが主体とはいえ、
絶対的なスタッフの多さも際立っている。

ここで安売り路線を前面に打ち出しつつ、客足が遠のいて行ったら……

マクドの影響力は絶大なので、
当時、ほとんど利用していなかったワタクシではございますが、
この激安路線、
アメリカのインボーかも……とか思っていたくらいでございますぅ。

でも潰れちゃったら元も子もないわけでして……

やはりここはカリスマ社長、藤田田の衰えだったのでしょう……。

藤田田。

1926年、大正15年生まれ。

終戦の年に……ハタチくらいか……

ハイティーンの時はずっと戦争か……

学徒動員もあったわけだし、まさに生き残り組……

このあたりの方たちが実質、戦後の急成長の原動力かと。

現在生きていらっしゃったら……87歳。

で、1997年の時は71歳くらいか。

70歳って、まだまだ若いし、
カリスマ創業社長の指示に逆らえないよね、フツー。

でも「判断力」。

原田氏が社長に就いて、超初期の試食会で
「食えたもんじゃねぇ」って言い放つみたいな
超シンプルなことの積み重ねなんだと思うわけです。

味覚とかも衰えるだろうしな……

で、藤田田が退任し、78歳でお亡くなりになるのと
軌を一にして登場したのが……原田泳幸氏、と。

最新のカンブリア宮殿を観て、
それでちょっと興味が出て、
ググって出会ったのが「ほぼ日」の糸井氏との対談だったんだけれど、
びっくりするくらいカンブリア宮殿と言っていることが同じで、
「これっていつのインタビューなの?」と確認すれば……
2004年の末。

これ、大変、ショックを受けました。

再建のためのプログラムはソッコー作ったのだな、と。

糸井氏とのインタビューの終わりでは
「プログラムはできたので、
次は動くようインストールする作業」(意訳)と語っている。

けれど商売の基本のひとつは「顧客に損した~」と思わせないこと。

マックから足が遠のいた客でも、
それこそマクドはいたるところにあるわけで、
時間調整でコーヒー一杯飲むことってあるわけです。

で、期待しないで飲んで「意外に美味いぢゃん」と思わせたら勝ち。

だったら100円マック、だったらチーズバーガー、
だったらセットでビックマック、
だったらものは試しで期間限定の…… と。

マクドが作る物語の中にどんどん参加させてゆき、
物語に参加していないボクの場合なんかは、
「740円のビバリーヒルズバーガーのセットってばよ……」などと思うわけですが、
ブランドショーバイってそういうことですよね。

顧客は物語の中での相対評価で「価値」判断しているのだから、
横から「牛丼240円で売っているよ」と言われても……
↑ メタな発言といいます

そもそも「一切、マックに立ち寄らない」という判断しても、
生きてゆくのには基本的には支障ないわけですし。

ちなみに、牛丼屋系は店舗設計そのものが
「喰ったらとっとと出て行って欲しい」なわけで、
↑ もちろんいろいろありますが
コーヒー無料でお替りできて広々もしているマクドとは
当然、価格は同列には比較できるわけもございませんしね。

カンブリア宮殿では、
「100円ソフトクリーム」を原田氏が試食したら、
明らかに味が落ちてて、
「だって100円ですから」と言い訳した社員に激怒したって言っていたけど、
100円でも不味かったら損した気になって、
次のショーバイに繋がらない。

これはたとえば書店で主流になりつつある
「カバン付きブランド本」とかと同じですね。

1000円でも絶対に、得させないといけない。
赤字でもいいわけだけど、そのあたりは経営者(メーカー)のさじ加減。

でもってそのブランドに興味もってもらって、
情報量が増えてくると、人間はもっと欲しくなるもの、と。

これはAKBとかも同じだな……
門外漢のオヤヂの立場からすれば前田某がトップで~すと言われてもよくわからん。
独自の文脈とか物語を知らないからなのです。

そうそう、先日もFBで、
お友達になっている人がテキサスの空港で、
普段はマクドらないが、最近マクドのソフトクリームが美味いと
(テキサスでは)評判なので、胃の調子はイマイチなのだが、食した、と
写真付きでアップしたのを思い出した。

だから日本マクドだけのオハナシではない、と。

あるいは原田イズムが
グローバルに徹底され始めているのかもしれませんね。

でも原田氏のやり方は基本でしょ。ショーバイの。

で、それやれば、少子化だろうが、デフレだろうが、
売上はV字回復するって証明ですよね。

もちろんそれだけではないですが。

まあ就任当時は「もう藤田田のマクドではありません」を
強くアピールしたいがために媒体露出積極的だったろうし、
それこそマクドなら代理店動かしていくらでも
戦略的な露出が可能だろうし、
そもそも「マックからマック」はかなりニュースなので、
代理店動かさなくても、興味示すメディアは多かったろうし……

当時個人的には原田泳幸氏の発信しているものに
結構、接した記憶があるけれど、
こうして「結果」を確認すると、かなり衝撃的だし、
しかも2004年当時から言っていることに変わりないって凄いな、と。

で、村上氏は
「とは言っても問題点を見つけ出して、改善案を明示するのは難しいのでは?」
と問うた。

すると原田氏は
「B to Cの場合、自分が顧客目線になれば比較的、判明しやすい」と。

ここでdankogaiの指摘していた
「Apple は IT業界の中でも 際立って B to Cの比率が高い」を思い出した。

でもって原田氏はApple本社(@北米)の副社長まで行った人ですものねー。

原田氏がアップルに入社した時って、
マクドと同じくアップルが低迷していた時期であって、
Jobsさんが復帰するのとほとんど軌を一にしている、と。

具体的な商品はiMacが起爆剤で、ソッコー黒字化しているけれど、
商品ラインナップを絞るなんてのは、
まさにマクドに入った原田氏がやったことのひとつでありつつ、
カラフルなiMacって明らかに
PCの大衆化を象徴している。

大衆のニーズ = 低価格化 だと勘違いして低迷したマクド

大衆化の大きな流れの中で具体的な商品を提示できずに低迷したマック

iMac なくしてその後はないわけで……

ほとんどApple時代のハナシはしない原田氏。

まだアップル離れて10年経っていないし、
守秘義務とか結構あるんだろうな……

原田氏ってなんか近所歩いてそうなオヂさんなので何なのですが、
もしかしたらマジで、スゲー人なのかもしれませんねー。


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