2012年3月29日木曜日

続「原田泳幸」について


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『カンブリア宮殿』HPの動画は、
村上氏のオヤヂギャグとかがカット編集されておらず、
スタジオ収録の「空気感」とか「ニュアンス」が伝わる。

ライブに近いとも言える。
↑ テレビの低迷のひとつに各種「事故」を防ぐために、
生放送が激減したというのがある……

もちろん編集済みの地上波放映モノとの比較も面白い。

そこで、再び、最新「カンブリア宮殿」の
原田泳幸編を細かくチェックしてみるとこにした。

まずは第一シークエンス「♯1 マクドナルド 奇跡の成功劇!」

原田以前のマクド、
特に消費税5%となった1997年以降の企業方針。

日本経済のデフレの流れを受け、
マクドは「低価格路線」に加え、
売上の総額をキープするために「店舗拡大路線」に走った。

結果、味はもちろんのことサービスの質が落ち、
マクドナルドは92年には創業初の赤字にまで転落してしまう。

さて、冒頭で村上氏は
不安、安心、危機感、信頼、
みたいな時代感を反映するシンプルな熟語を原田氏に提示して、
その(曖昧な言葉)に対する原田氏の反応を引き出そうとする。

が、原田氏は「課題」という言葉で応える。

村上氏としては自分の文脈に持ち込めなかった……
みたいな印象を個人的に受けた。

不安、安心、危機感、信頼…… 漠然としてる。

かたや課題。
必ずやるべきことは存在するわけだから、
不安がっていたり、安心しきっていたり、
イタズラに危機意識をもって緊張していたり、
依存心をもって信頼している暇はない。

↑ 普段、村上氏が煽っているのはコチラだったりしますが…

具体的な課題を発見して淡々と課題をクリアしてゆく。

また原田氏は国力は確実に低下しているのだけれど、
それは「考えない習慣」にあると指摘した。

明治の富国強兵以来、
特に下々のものは、考えずに、上からのオーダーを
粛々と受け入れ、実践するのがよしとする時代が長らく続いた。
逆に疑いは悪である。

儒教的なOSですね。

たとえばマクドの歴史に鑑みてみれば、
カリスマ社長が右と言えば、
多数派が左と思っていても左に行くべきで、
しかも、かつてはそれが

「良き結果」を伴っていた時代があったということでしょう。
↑ ゆえにカリスマの称号

しかし、いつのまにか、そういう組織で結果が出る時代は終焉していた、と。

特にマクドの場合は、顧客もそうだけれど、
従業員の裾野がめちゃくちゃ広いわけで、
店舗単位の現場での対応能力は
本質的な自主性から生まれるということでしょうか。

たとえば原田氏が真っ先に導入したのが、
「Made for You」というシステム。
顧客のオーダーが即座に厨房に示され、
その時点で調理が始まるというもの。

システム導入には100億円。

番組内で村上氏は100億円という投資額と、
またしても「リスク」という単語でなんか文脈をつくろうとしていたけど、
原田氏としては、最初は「ナニ言っているのか分からない」
みたいな反応だったな……

ここは筆者の推測。
赤字転落のマクドとは言っても、
味に対する投資額として100億円は、大したことはなかった。

が、新システム導入により

現場のオペレーションの難易度はグンと跳ね上がる。

仮にリスクがあったとしたら それは「人」だったのではないか、と。
現場のクルーが出来るのか、どうか?
社内の反対派もそれだったんぢゃないのかな、真意は。

で、2004年から現在までの「数の推移」をば。

来店者数 11億人 ⇒ 16億人
スタッフ数 14万人 ⇒ 16万人
店舗数 3800店 ⇒ 3300店

まず店舗数については、
2004年までの段階に遮二無二に増やしすぎたというのはある。
ブランディングも考えずに、
「窓口増やせば比例して売上も上がるだろう」みたいな、
乱暴な出店感覚だったんだと思う。

ある意味、閉じて当然。
↑ ただし閉店もコスト掛かるから「投資」でもある。

で、スタッフの数も確かに増えているけれど、
これだけ来店者数が増えたにもかかわらず、
それほど増やしていないとは言えるんぢゃないかな。

またどうもマクドが低迷した根源的な理由のひとつに
藤田田はあまりにも「グローバル企業としてのマクド」という位置づけを軽んじて、
「日本のマクドは日本のマクド」的な独自な経営手法を
貫こうとしたことがあるみたい……

↑ ガラパゴス・マクド……

そこで原田氏は本国も含めて、
「なぜマクドは世界で人気なのか?」を問おた、と。問い直した、と。

お得感。
スピード。
美味しさ。
利便性。

原田氏が番組中に述べたのはこの4つ。
「基礎力」とも言っている。

もちろん他では、多少待たせてもすっげー旨いみたいな
業態のハンバーガー屋は成立するわけで、
あくまでもマクドの基礎力ということ。

ということで、新システム「メイド フォー ユー」の迅速なる導入、
接客サービスの改善などによって、
基礎力を回復して、お客が戻ってきたとなれば、
次に原田氏が取り組んだのが……
「八年間で六回の値上げ」。

リーマンショック翌年の09年、
そして311の2011年は明確に売上が落ちているので、
さすがに毎年とはいかなかったけれど、
原田氏としては「毎年したかった」んぢゃないかな、と思う。

基礎力を取り戻した上で、
新規顧客のさらなる開拓と、来店頻度を増やす工夫、取り組み。
まあ、基本といえば基本。
そして「エビちゃん」とか「クォーターパウンダー」とか、
投入してジリジリと客単価を上げてゆく努力もする、と。

また利益が出たら投資するわけだけれど、
そのひとつが「従来店の閉鎖」。
やめることも投資のひとつ、と。

そうそう、メニューも
かなり減らしたと言っていたっけ。

まずは…… QSC+V

Quality Service Cleanliness 
+ Value

というわけですねっ。


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