■ キャリア扱いとSIMフリーの相互補完状態に....
ということで、2016年の携帯電話出荷台数が出たようです。
ガラケー激減、スマホは、SIMフリー端末が伸びたおかげで微減となった模様ですが、ドコモ、au、ソフバンといったMNO扱いのスマホ販売は着実に減少しちょります。
ちょっと前を振り返ることで、スマホ・マーケットの具体的な変化を考察してみたいと存じます。
グラフにはない、2011年から。
iPhone 4s 発売。auがiPhoneの扱いを開始したのもニュース。iPhone を主役にして、MNP争奪戦のゴングが鳴った、と。
年末にはGalaxy Nexus が出て、Samsung のオラオラは本格化、と。ワタクシ、Galaxy Nexus所有者ですが、当時、たったの4.6インチのモニタサイズが「うすらデカすぎ」と揶揄されていたことが思い出されます・w Android端末のトレンドの変換点でしょう。
そうそう、かのJobs様が千の風になられた年でもありました。
ちなみに、iPhone 4s は日本人が最も多く、iPhone なるものを手にした端末とされています。2012年度の販売の盛り上がりの主役だったのは間違いありません。
次、2012年。
グラフにあるよう、スマホ販売1000万台超えの凄い年であります。
けど、ドコモにしろ、auにしろ、ソフバンにしろ通信回線(3G)がカッツカツ。ドコモは1年前倒しで、Xi、すなわちLTE網サービスをスタートさせていましたが、東京の都心部対策でして、そんなシロモノを日本全国にて、大々的に宣伝しまくるとというトホホぶり。
auとソフバンは、秋のiPhone 5からLTE開始しましたが、当初は3Gと共用の2.1GHz帯のみの提供。auご自慢の800MHz帯のプラチナLTEは、Androidのみの提供となりました。
マサヨシさんが、ちょっと前にJobsさんに泣きついたのでしょう。2.1GHzだけのイコールフッティングがぢゃないと、ソフバンが負けるってね。
けど、後任のクック氏は、iPhone 5s世代では、au用には800MHz帯に対応することを許可(一年前には仕様は決まる)。慌てたマサヨシさんは、iPhone 5発売直後にイーモバイルを買収し、1.7GHz帯を手に入れた、と。
イーモバ買ったのは、iPhone 5s世代での競争力を維持する必要性からだったわけです。
Appleは当然、各国の通信環境をモニタリングしているわけですが、マサヨシの言うこと聞いていたら「遅い繋がらないiPhone」と日本では揶揄されかねない。もしかしたら、マサにイーモバ買えって命令したのもクックだったかもしれない....。イーモバは既に“売り”に出されていた会社だったらしいので、Appleがイーモバの経営状態も把握していて不思議はないわけで....。
マサがイーモバの千本元会長の事が苦手だったことも知っていたはず....。「嫌な奴に頭を下げるか下げないかも、アナタの判断」とクックは冷徹に諭したのかも.....。
一方、auは、未整備すぎる2.1GHz帯の基地局だけでiPhone 5 をバラ撒いたおかげで、繋がらないauのiPhone 5 という汚名が....。
あと、2012年のAndroidですが、夏モデルのGalaxy S3 なんかが代表的なモデルでした。
S3 は世界中で大ヒット。ただし、Snapdragon のSoC が慢性的な品不足。日本ではなぜか富士通モデルだけが、スナドラの供給が潤沢みたいだったのですが、相変わらず、地雷原みたいなガラスマでございましたっけ。
日本のスマホはiPhone にやられたってよりも、ほぼ自爆だったのでは?
そんな2012年でしたが、振り返れば、いろんな意味で盛り上がりましたよね。iPhone 5が4インチ化したのも話題になったし。
実質的なLTE元年でもあったわけだし。
次、2013年。
もう減り始めている。
もう大体の、ガラケー → スマホ、という流れが終わった証明でしょう。
ワタクシ、ドコモの前社長、加藤氏って偉大だったと思います。ドコモの購買部の権力って凄いわけじゃないですか。ユーザーのためというよりは、購買部の権益を維持したいがため、iPhone には手を出さなかったのだと思います。もちろんAppleが突きつけてくる各種ノルマが耐え難かったというのもあるにせよ。
よくドコモ内のアンチiPhone勢力を封殺できたな、と。
もちろん背景には、Apple側の動きもあった。
クックCEOの一大ミッションが、ドコモ攻略でしょう。
そりゃそう。日本の1/2 のシェアを抱えているガリバーなんだから。
そのために用意されたモデルが、ドコモのLTEにバッチリ対応したSIMフリー端末の日本投入。しかもauにもソフバンにも1台で対応しちゃうというスーパー・マルチバンド。
また、そういう端末を用意しておけば、ドコモとの交渉をギリギリまで伸ばせるわけです。ドコモとAppleが正式調印したのは、2013年6月とされていますから、発売までたったの3ヶ月しかなかった。
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2013年夏のドコモの夏モデルは、「ツートップ」が話題になりましたけど、それが原因で、NECとパナソニックがスマホから撤退したのではない。
ドコモがAppleと契約したのを裏で知ったから。夏の商戦の時は、当然、秋からドコモがiPhone 5sを扱うことなんてトップシークレットだったわけですしね。
ということで、2013年秋からドコモはiPhone 5s / 5c の取扱いを開始。
2012年もアツい年でしたけど、2013年もホットでしたね~。
ブチ切れたマサヨシさんが、iPhone 5s の発表会をボイコットしたのも当然かな、と。
ただし、スマホの販売台数は既に落ち始めていた、と。あんなにアツかった年なのに.....。
ちなみにワタクシ、2013年末には、Google Nuexus 5を手に入れました。今でも、Android 6.0.1 にてヌルサクに稼働しています。
その一年半前のGalaxy S3 なんかでは、最早、厳しすぎだと思いますが、Nexus 5以降のAndroidは、ガラスマも含めて長寿化していると思われます。
ワタクシの周りでも3年くらい前の端末使っている人、とても多い。それこそ、ワイモバ版iPhone 5s は未だにバカ売れしているくらいだし....。買い替え需要も落ちているのは間違いありません。
んで、2014年に突入。
ドコモが1月末の早い段階からiPhone 5s を叩き売りし始めて、その闘いは瞬く間にエスカレート。三つ巴でド派手に、MNP一括ゼロ円・多額のキャッシュバック付きを繰り広げたもんだから、それを機会に総務省に厳しい目を向けられるようになっちった、と。
あれだけド派手にバラ撒いたにもかかわらず、年間の販売台数はさらに減っているのも驚きですが.....
また2014年から、SIMフリー端末の販売台数が日本国内でも目立ち始めたぞ、と。
iPhone 5s / 5c のSIMフリーなんですね、これって......。
そして2014年秋には、iPhone 6 / 6 Plus デビュー。
さらに大きくなった。ヒットしましたよね、間違いなく。ただし、9月発売なので、どちらかといえば、2015年の販売台数に大きく貢献したと言えるのではないでしょうか。
2015年のMNOのスマホ販売台数はかなり頑張っている。
■ スマホ販売台数に変化は少なく、SIMフリーが伸びる
一方、2016年の目立った落ち込みは、iPhone 6s / 6s Plus があんまし人気無かったからと言えるのかもしれません。
iPhone 7 / 7 Plus はどうも好調のようですが、それは、人気モデルだったiPhone 6 / 6 Plus の二年契約が終了し始めた代替え時期にあたるためでは?
2015年のSIMフリー端末の増加は顕著ですが、楽天モバイルがノシてきたタイミングと一致しています。楽天モバイルの社長曰く、2015年2月にSIMフリー端末のラインナップを拡充させた途端、“手応えを感じ始めた”とのこと。
以降、2016年も含めて、格安SIMブランド各社は、SIMフリー端末販売を拡充し続けてきましたから、SIMフリー端末の販売台数が目立ったものへと成長したのも当然でしょう。
特に、2015年と2016年のグラフを見比べれば、ガラケー抜かせば、スマホ全体は“ほぼ同じ”なんです。
端末は当然ボロっちくなるものなわけですが、そんな買い替え需要そのものには変化はなく、MNOからMVNEへと逃げた分の数字が、SIMフリー端末の販売台数から推測できるものとなっちょります。
ちなみに、キャリアから格安SIMブランドへとMNPする場合、今使っている端末を使いまわす人の比率がとても多いそうです。先にも述べたよう、製品の寿命は伸びているわけですし。
ただし、それらも着実にボロっちくはなってゆく....。SIMフリー端末の比率は、今後も着実に上ってゆくと予想されます。一度格安SIMへMNPした人は、簡単にはキャリアに舞い戻らないと思いますし。
iPhone 命だったとしても、今のタイミングなら、iPhone SEとか、値ごろ感のある型落ちのiPhone 6s とかのSIMフリーに目を向けるのでは? と思ったりします。
薄ら高い最新iPhone でないと、キャリアで買うメリットが見出しにくいというか....。次期モデルでは、超高額なiPhone が噂されていますが、それも必然なのかもしれません。
とりあえず、いぢょ!
【追記】
ワタクシが、NifMo → IIJmio → mineo へと至った、マイネオ、コスパ最強“10の理由”を書きました。ぜひ。
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