ワタクシが愛する格安SIMブランド、『mineo(マイネオ)』に異変が起こっているという噂。
ワタクシ自身がヘビー・ユーザーでありつつ、皆様にフルにオススメしてきただけあって、この件、スルーするわけにはまいりません。
ということで、ちょっと調べてみました。
まず、特に6月に入ってからの回線増強がプア、という件。
6月、そして7月の2カ月は、マイネオのドコモ回線がはじまりつつ、9ヶ月もの割引きキャンペーンが終了するタイミングとなります。
9ヶ月間も、ほとんどダーターで使えてしまうというキャンペーンでありまして、キャンペーン期間終了とともに解約しちゃう方も多いはず.....。
というか、マイネオにとっても解約率が、“読めない”といったところだと思います。
マイネオのコスパに納得して居残る人、あるいは、徹底的にケチに徹すれば、半年ダーターという『DTI SIM』等の選択肢も存在しているわけです。
また予約しつつ、キャンペーンをフルに利用するという人は、普段から、この手にアンテナ張っているタイプなのは間違いなく、アッサリ解約しちゃう人は意外と多いのでは? と思ったり。
ともあれ、読めない、でしょう.....。
ただし、トレンド的には、“減る”方向が強いわけですから、どうせ減る、すなわち回線が空くということですから、無闇に回線増強を行わない.....という判断もあるはず。
ちなみに、2015年9月のマイネオのドコモ・プラン加入者は、約2万件と発表されています。
ちなみに、2016年5月末での契約者数は、ドコモ・プラン、au・プランあわせて、約30万契約とのこと。
母数からすると、“読めない”契約者数が多すぎの印象です。
また、予約ナシで、9月、10月に新規契約したユーザーは、半年間の割引キャンペーンが適用されました。
つまり、2016年3月、4月には、既に継続か解約か? の傾向、つまり解約率はある程度、データ化されているはず.....。既にある程度の結果は出ているとも言えます。
ただし、先に申しましたよう、6月、7月に割引きキャンペーンが終了するユーザーは、情報により敏感な層なのは間違いなく、3月、4月終了のユーザーとは、異なる動きが出る可能性もあります。
ともあれ、回線増強の様子見をする?、従来は、ガンガン、回線増強してきたマイネオらしくない雰囲気なのでは? という言説も目立つようになってきました。
なぜか?
そこて、久しぶりにユーザー・フォーラムを訪れてみてビツクシしました。
マイネオ立ち上がりから、マイネオの顔として各種メディアに登場してきた、マイネオ事業部統括責任者たる、津田氏が、マイネオ事業部から離れるとのこと......。
これからって時期に離れるだとーっ?
しかも、予定されていたイベントに出席予定だったにもかかわらず、イベント出席もせず、とのこと。
つまり、人事は結構、突発的だったということでありましょう。
ドコモだって、社長任期は4年。マイネオは今年6月で二周年なったばかり。ドコモ・プラン開始からは、まだ1年も経過していない.....。
これからの舵取りが正念場でしょう。
にもかかわらず、立ち上げから責任者の地位だったはずの津田氏が抜ける!?
マジか!
そこでケイ・オプティコムの財務状況を調べてみることにしました。
2013年3月期。
売上 1,680億円。営業利益 230億。経常利益 207億円。純益 129億円。
関西電力100%出資の会社ということで、もともとお金持ちなんだと思っていましたが、ケイ・オプティコムそのものの商いの規模ってもの凄く、デカイんですね。
2014年3月期。
売上 1743億円。営業利益 187億円。経常利益 160億円。純益 102億円。
売上そのものはほとんど変化ないのに、営業利益が大きく減損しているのがポイント。純益は30億円近く低下しています。
2015年3月期。
売上 1795億円。営業利益 176億円。経常利益 151億円 純益 72億円。
売上は対前年で50億円も増えているのに、純益は対前年で再びマイナス30億円
ケイ・オプティコムに一体何があったのでしょうか?
そして直近の、2016年3月期。
売上 1820億円。営業利益 170億円。経常利益 144億円。純益 96億円。
純益が2014年3月期レベルにまで回復して、ホッと胸をなでおろすところ。売上も順調に伸びている。けれど、まだ2013年3月期のレベルよりも、純益は30億円もマイナスのまま。
あえて繰り返します。果たしてケイ・オプティコムに何があったのか?
マイネオがまずはau回線でスタートしたのは、2014年6月。
サービス立ち上げのために、最低半年は必要でしょう。となれば、2014年3月期の決算に、『マイネオ・スタートのための準備資金』は計上されることでしょう。
30億円くらい使っているんぢゃないの?
ただし、2014年秋のiOS 8アプデで、au版及びSIMフリー版 iPhone 5s / 5c は、テザリングはもちろんのこと、LTE通信まで“不可”となってしまったのでした。
この件で、マイネオはソートー喰らったらしい。怒り心頭で解約した人も少なくなかったことでしょう。
ここで再び、2015年3月期の純益をば。72億円......。
有吉&ベツキのギャラ及びテレビCF等の広告宣伝は、ここに計上されるはず。それだけで、少なく見積もっても10億円といったところでしょうか。
しかも格安SIMという商材は全国区。高いタレント使っているんだから、全国区でCF流さないと。
また2015年前半には、auだけでなく、新規にドコモ回線も使うという決定を下しているわけです。
またドコモ・プランスタートと同時に半年以上の割引キャンペーンも行った、と。
にもかかわらず、純益が、72億円 → 96億円と戻しているのは、ドコモ効果と申せましょうか。
ここで仮説。
2013年3月期。純益 129億円。
これが余計なことしなかった場合のケイ・オプティコムの普通としましょう。
約130億☓3年 = 390億円。
しかし、現実は、102億 + 72億 + 96億円 = 270億円。
差額 マイナス 120億円........。
もちろん、この差額がすべてマイネオのせいかどうかはわかりませんけれど、きっと素人が驚くほどの資金を投入したことは間違いなし。
ハリウッド映画クラス......か。
ワタクシ、マイネオと契約して11ヶ月目ですけれど、4回線も契約しつつ、月々1,000円前後しか払ってこなかったわけで、すっげーありがたい一方で、「大丈夫なの?」と危惧していたところでした。
たとえば、ニフティの格安SIM、『NifMo』の場合。
沢尻エリカ使って、テレビCFも打って、雑誌等のステマも行ってという風に、昭和の時代の広告代理店使いまくりなプロモーションが印象的でした。
スタート当初は、ドコモから潤沢に帯域を仕入れて、昼の時間帯でもドコモ本体並のスピードを実現していたのも戦略のひとつだったはず。話題になったし.....。
ただし、半年もしたら、一転、激遅へ。
理由は初年度の予算使い果たしたからでしょう。
2015年4月から、IIJmioが率先して、3GB = 900円の新相場に突入したのも大きかったはず。IIJmioの影響力を考えれば後追い組は、追従するしかなかったはず。
※ IIJmio内部でも、3GB化は、時期尚早の反対意見もあったそうです。
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でも、ドコモからの仕入れを考えれば、2GB/月で、予算計上していたのに、1.5倍も仕入れ額が上がるばずの3GB /月って、デカイでしょ、マジで。
そして、予算ショートしたら、結局、ユーザー側にオッツケける、と。寂しいですなぁ。そもそもISP事業そのものが斜陽なわけでして、予算もたかがしれたものなんだろーなー、と。
またこの一件を思い出すと、毎月バンバン、回線強化を繰り返しているマイネオって、どれだけの予算ぶっ込んでいるのだ? と、ずーっと思っていたわけです。
楽天モバイルのケチケチぶりとか、MVNEはIIJmioのはずなのに、自社で用意する各種付帯サービスをケチりまくっているイオンモバイルとか、いろいろ眺めていると、さらにマイネオのパワープレイっぷりには驚かされるばかり......。
一度広げた風呂敷を畳むのは難しい。
すでにマイネオは、30万契約を達成しつつ、格安SIMギョーカイ・シェアは、OCN、IIJmio、楽天モバイル、U-mobile、BIGLOBE に次ぐ第六位にまで成長しています。
現在提供される各種サービスは、間違いなく継続されるはず。
ただし、です。
津田氏の後任の方のブログを拝読したのですが、当然、事業部としての、利益率の向上、及び、初期投資も含めた黒字転換の促進は、先に挙げた“数字”だけ見ても、社是でありましょう。
まずは、ドコモからの仕入れ、どうケチるか?
ケイ・オプティコムの会長とか社長は、当然、関西電力からの天下りでしょうが、子会社の一事業部が毎年、数十億レベルの目立つ赤字を垂れ流しているのって座視できるわきゃーない。
我慢は、通期では3年が限界だったか......。
当然、事業計画書を最初の最初に出しているわけ、結局、読みの甘さが三年が経過して、明々白々になっちゃった......って感じでしょうかねぇ。
ワタクシがケイ・オプティコムの社長でも、無視できないですわ、これ.......。
いや親会社の経営陣も座視できないっしょ、やっぱり......。
しかも、ここ2年の変化では、従来的な格安SIMの文脈とは、また違う文脈で登場した楽天モバイルが圧倒的な集客を得ている。強敵現る、と。
楽天モバイルは、楽天市場が育ててきたECの文脈を活かし、かつ“端末とのセット売り”を結果として、当てたことが大きい。楽天というブランドの認知度の圧倒的な力も、新世代の格安SIMユーザーにブッ刺さった、と。
そして、ワイモバイル。知名度はもちろん、全国4000店とされるリアル・ショップの充実度は、圧倒的な有利性。さらに商材も、完全に格安SIM/格安スマホ・ギョーカイにターゲットを絞ってきた、と。
もちろんワイモバイルも端末とのセット売りが基本......。
IIJmioだって、去年の夏から、端末を売るサプライ・サービスを開始しているにもかかわらず、IIJmioのビジネスモデルを踏襲するのが大好きなマイネオが、端末とのセット売りに露骨に消極的だったのも気になる点でした......。
ということで、世の中は、厳しいというオハナシでございました。
ただし、現状では、ワタクシのマイネオ愛は、嘘偽りなく、不変でございますよっ!
とりあえず、いぢょ!
【追記】
ワタクシが、NifMo → IIJmio → mineo へと至った、マイネオのコスパ最強“10の理由”を書きました。ぜひ。
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