ということで、やや話題の『二子玉川 蔦屋家電』を訪れてみました!
サビ頭で言ってしまえば、機会があれば、立ち寄ることをオススメいたします。面白かったです。ワタクシ、また行きます。
で、そもそもワタクシ、ツタヤがどうなるのか? に興味あります。
ビデオ・レンタルで一時代を築いたものの、ゴールデンウィークにGooglePlayがダーターで新作映画をバラ撒いちゃう時代に突入しちょります。
なちみにワタクシ、Googleのアカウントふたつ所有しておりまして、『ベイマックス』と『ゴーンガール』のふたつ観たら、それでお腹一杯になっちゃいました........。
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しかも、違法アップロードも溢れていますからねぇ。劇場版『MOZU』は、やっぱり話題だと思うのですけれど、果たしてテレビシリーズとか、わざわざツタヤで借りるんですかねぇ......。
ルールがどうしたというより、多数派の実際の行動として、です。
で、テレビシリーズの『MOZU』なのですが、オハナシの基本骨格が古いとワタクシは感じました。そこで逢坂剛の原作が出た年代を調べてみると、1980年台前半なのですね。
だったら、納得。
軽く20年以上経っている.......。日本の権力構造は明らかに変化したし、そして変化していないところもある。もちろん世界のパワーバランスも変化している.......。
何が具体的に変化したのか? を知るに、今年のはじめ、文庫本の描き下ろしとして発刊された『電光石火 内閣官房長官・小山内和博』 濱嘉之(文春文庫)などがオススメです。
官邸界隈でベストセラーだそうです♡ マジで。
ということでハナシは脱線しまくりなのですが、ツタヤの新業態でした。
デジタル化できる商品扱っていても先はナイ。
数年前に出来た代官山T-SITEも出来てすぐに訪れてみましたけれど、あんましピンとは来ませんでした。
ツタヤの社長が団塊の世代そのもので、その世代の、特に“男子の物質的な夢”みたいなのが前面に出てきている印象。
実際、リタイヤ組のおじさん達が具体的なターゲットでもあったことでしょう。
で、もうひとつ。
代官山の駅前再開発が失敗したってのが、代官山T-SITEが誕生するひとつのきっかけにもなっていたと思われます。
なので代官山駅から旧山手通りまでの“強固な動線”を新たに作るため、代官山の大地主様とツタヤの社長がツルんだのではないか? と素人は勝手に推測しているところ。
ちなみに、旧山手通りってめっちゃ広いですけれど、あれってかつては“私道”だったそうです。
代官山の歴史と、理想主義に過ぎる街開発にご興味ある方は、ぜひこちらを。
隈研吾・清野由美 『新・都市論TOKYO』(集英社新書)
ここまで書いてやっと気づいた・笑
そっか、東急電鉄は、その時から具体的なツタヤの動きを眺めていたのだろう、と。
実際、『蔦屋家電』が入っているビルは、東急の陣地そのもの。しかも、東急にとってニコタマの再開発は渋谷のそれと並ぶ一大プロジェクトだったのでした......。
確かに駅には近いものの、ワンクッション遠い。そこまで人を誘導させたい、という部分でも代官山T-SITEとキャラはかぶっているぞ、と。
東急としては、沿線住民にアンケートして、ニコタマにシネコンと家電量販店が欲しい旨を掴んではいた、と。蔦屋家電と同じビルにIMAX3Dがふたつも入っているシネコンも完成済み(併設の『楽天カフェ』にも寄ってみました!)。
東急としては、ビックカメラとか丸ごともってくる事も可能だった。けれど、それはしなかった。
それはやはりブランド造りのためでしょう。特に田園都市線の。もちろんニコタマは大井町線も来ているので、世田谷区及び大田区に広く網を張る、東急電鉄の一大ハブ・ステーションでもあります。
東急ってブランド造り上手なんですけれど、東横線から東側って、思いっきり“下町”入っていますからねぇ。やはり東横線から西側がポイントで、かつ、多摩川超えた神奈川奥地のさらなる開発が東急ショーバイの肝。
ちなみに、知り合いが先日、あざみ野(田園都市線)に引っ越しして、「東急が物価コントロールしていて、スーパーとかめちゃ高くて困っている」と申してましたっけ。
そこに住み続けている年金生活者とか、職場と自宅の往復に明け暮れるリーマンの人とか、そういうのに気づきにくい.......。そんな支配のエッセンスを極端に劇画化にすると、望月三起也『ワイルド7』の“運命の七星”編になったりするのですが、そっかー秋田書店って倒産しちゃったんでしたっけ?
まあ、望月三起也先生が当てこすったのは、きっと西武だと思いますけどね♡
で、ニコタマのハナシに戻れば、ニコタマのハイソなイメージを醸成したのは、昭和44年創業の玉川高島屋ではあるぞ、と。ただし、日本のモータリゼーションを見込して大型駐車場を併設するという高島屋としてはリスキーな新業態だったのです。
基本的にはアメリカの大型スーパーを模したものであって、店舗のコンセプトは、イトーヨカドーとかAEONとかと変わらない。ただし、オープンが早かったし、扱っている商品の価格帯がまったく違うということ。
あと、地下鉄の半蔵門線が渋谷まで開通するまでは国道246号線沿道なんて、基本的に陸の孤島。世田谷区って面積広いから、国道246周辺は、小田急にも東横線にも遠い。今ほどバス路線だって充実してはいない........。
ここでさらに余談♡
歌手の松任谷由実って、もちろん旦那さんは松任谷正隆ですけれど、学生時代から付き合っていて、彼氏のマイカーでの移動風景なんかが歌詞に織り込まれていることが多い。
まあ、それが日本人の多数派にとっては、“一歩先”だったから憧れに繋がったと思います。
で、松任谷由実は八王子の呉服屋のお嬢様。多摩美術学校に通っていた。多摩川南側を走る南武線でお通いになっていたらしい。多摩美はニコタマのお隣の駅、上野毛から歩いても遠い。しかも美大だから持ち運ぶ道具も多かったと勝手に予想。
そこにマイカーをもっている背の高い素敵な男性が現れる。当時をしてマイカー持っている学生なんて羨望の的なわけです。
ニコタマのお隣、岡本町のお金持ちのご子息。
でも、今でも岡本町って駅から遠くて不便。しかも激坂のエリア。松任谷家が駅近(えきちか)の豪邸にお住いだったら、息子にクルマとか買い与えなかったかも......。
ともあれ、多摩美が八王子から電車で通うのに便利な所にあったら、日本を代表する女性シンガーは生まれなかったかも、です。
あと、ニコタマの歴史をさらに知るには、『ブラタモリ』の初期シリーズの“ニコタマ編”などをチェックしてはいかが?
で、ある程度の田舎ゆえに、新しいカルチャーが発生する地政学的要素ってあると思うのです。
ツタヤのさらなる新業態『蔦屋家電』がニコタマで産声を上げたのも、必然性ありかも、と。
基本的には商業地区ではなく、住宅地区。そこそこ資産持っている人とか、そこそこの収入得ている
そこで、贅沢な空間構成をしつつ、家電のセレクトショップを展開する、と。
新宿伊勢丹前に出来た『ビックロ』とか行っても、新しいさはてんで感じません。ビックカメラの横にユニクロが併設されているだけなのですもの.......。
家電量販店ならではの発想の限界とか、あるかも。
一方、仮にオシャレだったとしても、アップルストアにはAppleの製品しか置かれてませんし、ビルそのものは古いけれど、銀座のソニーのショールームもしかり。
もっといろいろ見たいですよねー。
一方、ツタヤの場合、そういった家電ギョーカイのくびきからはある程度はフリー。
また大家は先にも述べたよう東急なのでして、東急は東急で、沿線全体のショバ代を高値維持するためにも、ある程度、ショーバイ度外視で、“ブランド造りの要素”を優先するという目論見あってしかるべきことでありましょう。
日本で地政学的にそれが可能なゾーンってきっと限られていると思うのですね。
ワタクシ、湘南T-SITEは訪れたことがないので、じつは『蔦屋家電』が丸ごと新しいのかどうか判然とは致しませんが、代官山T-SITEとは異なり、これって新しいし、きっと役に立ちそ~と思ったことは間違いございません。
ただし、ワタクシ「果たして、ここでわざわざ買うか?」とは思いました。
ふーん、DJIってこんなに小さいのかーとか、リアル店舗のお陰で体感できましたけれど、買うならきっとAmazonだろーなー、と。
一等地だし、物販だけでペイするとは想像しにくい........。商品単価はおしなべて高額だけど.......。金持ちほどケチという通説もございます・笑。
ここで実際の店舗でヒントが......。
マイクロソフトのSurface Pro 3 が不自然なくらいの台数並んでいるわけです。ウッドのカウンターの上にオシャレにズラリと........。
場所代とっているのでは? メーカーから。従来的な“協賛金”以上のショバ代を......。
裏コンセプトは、郊外型のオシャレな総合ショールームかも....。もちろん物販はするけれど、その要素がすべてではない、というか......。
もちろんツタヤがコンシェルジュと呼ぶ社内スタッフを起用して、ある程度ブランディングしたものをツタヤ主体で集めるのは当然。
けどきっと、ここまで金の掛かった商業施設なのだから、「とりあえず、オシャレに展示してほしい」っていうメーカーは絶対にいるはず。
人って実際に触れると、欲しくなるものですからねぇ。
積極的に体験を売る。
けど、そのお金はメーカーから取るという新業態だったりして.......。
だから、新しいのかなぁ。
結局、Amazonとか楽天とかのネット通販の勃興が、招いた新業態かもしれず、ツタヤが新業態を模索するようになったことと、根っこは繋がっているのかも。
あ、『蔦屋家電』の横のビルには、この秋、楽天本社が入るんだったっけ。
とりあえず、いぢょ!
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