2014年12月31日水曜日
【レビュー】 SHURE『SE215 Special Edition』(SPE-A)購入から一週間の印象っ!
切り口をいろいろ考えていたのですが・笑、SHURE(シュア)って、基本的には業務用のマイクロフォン&ヘッドセット・メーカーなんだろーなー、ということ。
基本的にはプロ用ってこと。
ただし、21世紀に入って、音楽ギョーカイに大きな変化が起こった、と。
それはもちろんAppleの仕業。iTunesという破壊的な“仕組み“”を登場させ、iPodのみならず、iPhoneという端末も、この世に送り出した、と。
結果的に、コンシューマー向けのヘッドフォン&イヤホンのニーズが高まった、と。
SHUREとしても、その大きな“流れ”は無視できなかった、と。まあ、企業なんですから当然のこと。
イヤホンに関しては、BA(バランスド・アーマチュア)という技術的革新が存在しつつ、ことプロ用に関しては、BA大前提に、プロが満足する音を提供すれば良かったか、と。
ちなみに近所にお住まいの小金持ちのオヂサマのバヤイ......。60万円の補聴器付けてるの知って、ワタクシ腰抜かしましたっけ・w。まさに最先端BAの世界がそれ。
まっ、BAは高価ってことですね。業務用とか医療用だったら、それもチト許されるのかもしれませんけれど、コンシューマー用としては、やはり厳しい面が出てきてしまう、と。
イヤホンなんて2,000円程度で十分って思っている方が多数派なのが実情ではないでしょうか。そういうボリュームゾーンとの乖離が激しすぎるぞ、と。
5,000円も高いし、10,000円っつーのも、昨今の世相からすれば厳しいのかも。電車の中でウォッチしていてもワタクシ、それを感じてしまいます。
これは我が国だけでなく、アメリカも似たようなもののはず。100ドルって大きな心理的バリアだと思いますねぇ。
ぢゃあどうする?
BAを使わなければ良い。
従来的なダイナミック型のシングルドライバーを新開発しつつ、低価格を実現する。価格設定は100ドル以下。
素人の勝手な推測では、『SE215』の裏開発コンセプトってそれだったのではないでしょうか?
ただし、です。
SHUREブランドとしての威信というか信頼性は守る。
外観だけ上位モデルに似せた中身のナイものには絶対にしない。
エントリーモデルとして、“音の良さ”、“音の違い”を多数派に実感してもらいつつ、可能であるのならば、値段だけで敬遠していた上位機種にもトライしてくれる人が増える事を狙う、と。
結果的に『SE215』は評判を呼んでヒットしたわけですけれど、多数派のニーズみたいなものと若干のズレが生じていた可能性がある。
基本、モニタリング・イヤホン(という触れ込み........)なので、多数派が聞くとアッサリとか、蛋白とか、「もっと低音ガー」ってな事になりがちなのだと思います。
ユーザーアンケートでは、「普段どんな曲を聞いている?」をSHUREは積極的に集めたみたいですから、開発陣はその辺りも冷静に分析したのでしょう。
またiPhone等でお外で聴く、みたいなのが大前提にあるわけですから、そこらあたりの“リスニング環境”に関する補正も入れたのだと勝手に予想します。
結果、追加したモデルが、『SE215』をベースとした、『SE215 Special Edition(SPE-A)』。
ドライバーは215SEと同一ですが、ドライバー背面にある“音響抵抗スクリーン”をチューニング。
目的として中低音を強化した、と。
またコードは、162cmから、116cmとして、一般人の普段使いに対応。
ハウジングも半透明のブルーとして、グレー(or クリア)の『215』よりも明るくポップ、派手目に、と。
ちなみにコードを耳の上に掛ける『シュア 掛け』は、一般人にとっても、とても便利なのですが、間違いなくプロのニーズから生まれたものでしょう。
紅白歌合戦なんかでも、歌手がシュア掛けしているの見るの、お馴染みの光景となりました。
あの爆音・歓声の中で、歌手はジブンの音を拾わねばならぬ。第一に凄い遮音性が求められるのは当然です。
さらにプロの歌手の場合、モニタ用のレシーバーは、背中の腰のあたりに配置している。本当のシェア掛けって、背中側にコードを通すのでした。当然ですよね。ビジュアル的にもコードは邪魔です。
『SE215 SE』なんかのコードもゴッツイです。強化繊維のKevlarまで皮膜に使っています。
これも基本はプロ・ニーズでしょう。ステージで歌っていて派手なアクションしたら、ブチっとコードが断線してモニタリングできなくなっちゃった......。歌手にとっては一大事ですわ。
そういうシチュエーションを可能な限り避けるってのがSHUREのDNAでしょう。
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結果としてパンピーも“切れにくさ”を手に入れることが出来る、と。
低音を強化した、とのことだったので、子供っぽい音なのかな?とか思っていたのですけれど、それは杞憂に終わりました。
とっても厚みのある低音。表現力もある。バンバン体を押されるというよりも、革張りの厚みのあるソファーに体を預けるってな印象。心地よい低音。
音が硬くて耳が痛くなるとか、疲れるみたいな心配はいらない。
ただし、高音域の抜けとか、『SE 215』と比較すると、多少、減衰しているみたい。解像度とかも。高音側の再生周波数帯域のスペックは変わらないのですけれど、シングルドライバーならではのチューニングの限界はあるはずです。
ただし、それは比較してみた場合ですよ。多数派は気づかないと思います。気づかないというか、きっと分からないってな感じかナ。比較しないと分からない。
また、アウトドアでの使用がメインになる人が多いと思いますけれど、そういうシチュエーションでは、音そのものに集中している時間って限定的だと思います。
何かに気を取られていることが多い・笑
そんなシチュエーションで大切になってくるのが楽曲そのものがもつ“ノリの良さ”を伝えることだと思います。
今回ワタクシが『SE 215 SE』を購入して良かったな、と思う点がココです。
楽曲それぞれにノリってあって、特にアウトドアなんかでは、そのノリが大切だと思います。それを教えてくれたって感じでしょうか。
ディティールの部分で、「うっひょー、鳥肌~」みたいなイヤホンは他にもあると思います。
一方、リッチな中低音を基本にしつつ、ツボを抑えた高音みたいなのが、“ノリ”には大切かなー、みたいな感じですかねー。
料理なんかも最後の塩加減が大切とされますが、『SE215』を素材としつつ、多数派のお客さまが、さらに満足してくれる味付けは、こんな感じかなー、みたいなさじ加減がゼツミョーというか、プロのワザちゅーか......。
半透明でブルーのハウジングは、やっぱり格好いいと思いますし、シュア掛けもマジで便利。
SHURE 『SE215 SpecialEdition』(SE215SPE-A)。
ワタクシ的には購入して大正解でございました。
とりあえず、いぢょ!
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