2012年1月7日土曜日

「FUWA METAL USA」について

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最新の「カンブリア宮殿」もなかなか濃かった。

先に登場した「ファニチャー ラボ」の堀社長も濃かったが、
続いて登場した「FUWA METAL USA」の増井社長にはシビレました。

こんな人相の人、なかなかいないとまずは感じた。

やはりキーとなるのは増井社長の「分ける力」。
まさに超能力でしょう。

鉄くずの山を見て、解体途中の建築物をみて、
鉄の種類とか、量とかを一瞬にして識別できちゃうってんだから。

もちろんそうした能力は今後、コンピュータがもちえるかもしれないけど、
まずは、そうした増井社長のもつ突出した能力が大前提にある。

大学卒業して商社に入って、
3年以上も毎朝、船の中に下りて鉄くずながめていたそうです。

「鉄と会話」できるようになるまでに、約3年。
今は「鉄くずのほうから、こんにちわ」って言ってくるらしい。
きっと、本当だと思います・笑

で、増井社長のニュービジネスは、結果として、
鉄くず業界のこれまでのヒエラルキーを破壊する力を秘めている、と。

では大手が大手として君臨できていた理由とは?

港湾の限られたスペースに大規模なストックヤードを確保できていたこと。
すなわち土地の独占と、それに必要な資本力、と。

結果的に業界は、鉄くずを集めるためのピラミッド構造となり、
ピラミッドの頂点に君臨する大手が、買取価格と売却価格を
恣意的に操作できる余地が大きかった、と。

この基本構図は他業種でもあまり変わらない。

が、増井社長の空(から)でアメリカからアジアへ出てゆく、
「コンテナ」の存在に着目し、
コンテナを立てて、そこに鉄くずを満載するという新発想をもって、
ピラミッド構造の底辺近くから、直接、鉄くずを購入し、
またコンテナという小ロットの状態で、
アジア各国の比較的小規模な「電気炉」に売るという
末端から末端による流通を実現した。

コンテナごとの小ロットで取引可能なわけで、
鉄くずを売る側だけでなく、
買う側も、大手電気炉の顔色を伺う必要がない。

もちろん売る側は高く、買う側は安くが実現する。

効率化、合理化ともいえる。

ただしコンテナひとつひとつのきめ細やかな管理、
それもアメリカから台湾、インドといったグローバルな
リアルタイム管理もコンピュータネットワークの進化により可能になった。

船輸送、またコンテナというロジスティックは旧来からあるが、
増井社長のニュービジネスを実現するには
コンピュータネットワークのテクノロジーが不可欠である。

「フラット化する世界」。
トーマス・フリードマンの説そのままのニュービジネスであろう。

また増井社長の会社はわずか6名しか社員がいない。

とにかく、である。

増井社長は鉄くず見ただけで、
あ、これはボストン産、あ、これはロス産でやっぱりいまいちとか
一発で見抜くのだそう。
しかもゴチャと積みあがっている姿見ただけで量が分かるらしい。
すげー。

鉄くずみていまだに萌え、ている・笑

前述のファニチャーラボの社長も
商売云々以前に、
もともとの「プレミアム家具」好きは隠せなかったしな。

アートの領域に片足突っ込んで、
天井知らず、言い値の家具ではなく、
あくまでも日々使われる耐久消費財としての
プレミアム家具によるアプローチっていうところも新鮮だったなー。
ただし価格は激安で、まじでワタクシも驚きました。

ここ数回のカンブリア宮殿は、なかなかにイケてますな。

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