2012年1月5日木曜日

「フェルメール」について

by Nexus
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東急文化村「ザ・ミュージアム」にて開催中の、

『フェルメールからのラブレター展』
コミュニケーション: 17世紀オランダ絵画から学ぶ人々のメッセージ

を見てきました。

そこそこ空いていて、あいかわらず「じゅんっ」とシアワセなキブンを
堪能させていただきました。ラッキー。

今回はフェルメールが3点。

フェルメールのエリアでは、
壁の三方に一枚づつ絵が掛かっていて、エリア中央の長いすに腰かけて、
ちょっと遠目から、眺めるのが、オツでんな・笑

同時代、同エリア(オランダ)の画家が一同に介しているわけですが、
あいかわらず、フェルメールはずば抜けて、お上手。

でもフェルメールがずっとリードし続けてきたとかそんなことではなく、
しっかりとお手本になるような先達がいて、
それらをヒントにしつつつ上手に纏め上げた……
ということも本展覧会ではよく分かる構成です。

ルネサンスでいえば、
ダヴィンチ、ミケランジェロという先達がいて、
少し若いラファエロがいるというのと同じ。

また時代的には……
「へいげもの」での南蛮といえば、
イスパーニャとかポルトガルなわけですが、
フェルメールの時代、
まさにオランダが海洋覇権国として新たに君臨した時代であります。

もちろん我が国は徳川時代。

フェルメールの作品では、「日本テイスト」のアイテムが
数々登場しており、これも面白ポイントのひとつですね。

画材だってまだまだ高価でしたからね。
神とか神話とか、貴族の肖像画ではなく、
市井の人々の生活とか感情とか風俗を描写した作品が
このあたりから増えてきたのも、
かの地の「世界観の変化」を反映しているわけです。

ジャック・アタリなどは当時のハーグこそが、
資本主義のはじまり……と語っていたような。

一箇所に大勢の人が集まるためには、
高度な通貨システムが必要となるわけです。
なぜなら分業が前提となるからです。
結果的に江戸の抱えていた人口からすれば……とは思いますが。

また現在でも関東圏には3000万人以上の人々が
集積したカタチで住んでいます。
こんな都市も他にはございません。



あさて、今回の展覧会は「手紙」によるコミュニケーションがテーマ。

手紙。

確かハプスブルグ家が基本的なシステムを創ったとされています。

アナログの手紙もテクノロジー。

また実際展覧会に赴いて気づかされたのは、
当時のオランダの「識字率の高さ」。

いまだにアメリカでさえ識字できない人多いんです。

日本人の識字率の高さは世界に冠たるもの。

間違いなく当時のオランダの国力を支えたものに
「文字を読める、書ける」という人の多さがあるはずです。

文字もツール、テクノロジーということです。

読めなかったら意味が伝わらない。
当たり前なのですが、どうも忘れてしまいがち。

「あけおめ」メールで、spモードがまた飛んだ……
あいかわらずヒトは手紙が大好きのようですね。

今回展示されていた3作品のうち、
やはり「あれ」が名画中の名画だな、と思いました。
やはりオランダの美術館は手放さない・笑

もう一作の「あれ」は、
意味性がチト弱い。
これをベースにして
フェルメールは主題と表現を練りこんだのだな、と。

もう一作は、これは技術的にも要素的にも
画家としての業とも言うべき発展形なのですが、
フェルメールらしさ……という点では、
凝りすぎているかもしれません。
もちろん素晴らしいんですけどね。

どれか一点もらえるなら、やっぱり「あれ」・笑

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