真面目にウォッチし始めたのは昨年末から。なぜならGalaxy NexusというAndroidを購入したがゆえ。当然、同時期発売のGalaxy S2 LTE と比較した。大枠では「似たようなもの」であるが・笑。
ただし、Nexusは「Android 4.0」という新OSがウリ。かたやS2 LTEは、OSはAndroid2.3 という旧式のままだが、商品名にもある通信方式「LTE」、docomoで言うところの「Xi(クロッシィ)」がウリとなる。
世の趨勢として、3G(FOMA) → 3.9G(LTE = Xi) → 4G という流れにある。当然、世代が新しいほどに高速通信となる。が、通信基地局の整備には当たり前だが時間が掛かる。
そこで一消費者としては、「今のXiエリアはどげなもの?」と確認することとなる。当然、ですよね?
腰抜かしましたね。マジでビツクシした。だって、昨年末の時点で関東だと環八以内がいいところ。にもかかわらず、地上波では冬モデルのCFをガンガンと流している。「Xiは速い」みたいなのが目立つ。で、こんなエリアしかまだないの?
目の前で起こっていることが俄には信じられないほど。
で、Nexusを引き取る際にdocomo shopの店員さんと雑談したんだけれど、「ウチでもXi買ったのがいるんですけど~、ただ机の上に置いているだけで、電池がガンガン減って困ってるみたいですね」と。Xi回線との接続が不安定な場合、Xi端末は3Gの電波を拾おうともがき続けているので、勝手に電池が減りまくり、というわけ。
スマホの急激な普及で3G回線が逼迫しているのが現実。ゆえに速い遅いではなく、3Gから3.9Gにユーザーを振り分けたいというのも理解できる。
ただし、キャリアとしてやるべきことは大きく3つあるはず。
1. 3Gトラフィックの現状をユーザーにしっかりと説明すること。
2. LTE基地局を前倒しで急速に整備する努力。
3. Xi前提でもいいから、任意で通信方式を端末側で選択可能とすること。
2012夏モデルの発表会で孫さんは今年も含めた三年間で通信インフラに一兆5000億円ブチ込むとした。LTEや4Gだけでなく、これには今まで許認可がなく未整備だったプラチナバンドへの対応も含まれるが、とにかく年間5000億円となる。
かたや先日docomoがアナウンスした今年度のインフラ投資は1500億円。政治力もあり技術力もある。となれば後は金を出すか出さないかの問題。金はあるよ、儲かっているんだもの。でも、投資はしないって。いや、旧来決まっている事業計画どおりにことを進めるということでしょう。
また通信方式を端末側でユーザーが任意に行えるかどうか? だけれど、浅薄な筆者の知識では、既に発売済みの冬春モデルでは出来ない。XiならXi優先。Xi回線が届かないところだけ自動的に端末が3G回線を探し、切り替えるというもの。
今度出る夏モデルの詳細は知らない。ただし、基本的に全機種「Xi スマホ」。ガラスマさえない。ユーザーにこの点で選択肢はない。
ただし、台湾とか香港で出たばかりのグロスマ、「Xperia ion」の場合、日本語環境への対応はもちろんのこと、通信切り替えのモードが設定されている。基本的にはionは多くを夏モデルの「Xperia GX」と共有している機種と見受けられるが、果たしてGXにもこのモードが用意されるのか? もし無かったらdocomoの「意思」と捉えざるをえない。メーカーレベルではいくらでも対応できるという証明がXperia ionだ。
先のエントリーでも述べたようにdocomoの特にMNPでの凋落は2008年から始まっている。丁度、前社長が就任した時から。彼は先日退任したばかりだが、退任の辞で「もともと私は、固定回線上がりでナニも知らないで、周囲の皆さんからいろいろ教わって感謝します」と。就任当時タブレットのことをタンブラーとか言って話題をさらったらしいし……。パンピーが想像する以上に「良くわからない人」が社長に就任すれば、「なにもしない」「何もできない」。
しかも折り悪くiPhoneが発売されてガラスマからスマホへの黎明期にもあたっている。auの田中社長によれば2011年だけで通信量は3倍にも増えたそう。もちろんスマホ普及のせい。当然各キャリアは通信状態を精密にモニタリングしているわけで、スマホの普及度合いによって、どう通信量が増えてゆくのか?などという「未来予測」は出来ていて当たり前。ただし、「やらない」「やれない」。
結果、docomoのとった対策は何かと言えば、「多くのリスクや不便を末端ユーザーに押し付ける」。
完全に「同じ構図」。他と。はー。
そもそも黎明期のdocomoってNTT本体からすれば、左遷みたいな会社だったらしい。だから当初の社長は「なにくそ」ってことで、夏野剛みたいな有能な外様を重用してまで超優良企業へと成長した。アウトサイダーだったわけ。当初は。けれど、NTT本体が団塊の世代の超大量の社員抱えて凋落してゆく一方で、docomoは急成長していった。すると、docomoの六割以上の株をもっている大株主様でもあるNTT本体は、メタル回線育ちの経営陣を送り込んでくるという構図。ほぼ間違いなく。
試しに、「夏野剛がブチ切れてドワンゴへ行った年」を調べてみれば2008年なんだよね、これが。一応外様でも業績認められて取締役っていうしっかりしたポジションまでもらっていた。しかも夏野自身がこれからはスマホの時代って死ぬほど分かっている。やめないよね、フツー。生来の跳ねっ返りでも、よっぽど凄~くない限り、きっとヤメない。けど、ヤメた。すなわち我々が考える以上に「スゲー」んだよ。
とすれば昨今のdocomoの「はぁ?!!!!」な振る舞いも納得できる。悪ぢゃないの、◯ーなの・笑。
他とまったく同じ構図。はぁー。
で、docomo新社長の経歴確認して勝手に予想するに「これからの4年も同じ」。ちなみに孫さんとJobsさんとかGatesさんとかほぼ同じ世代って理由がある。PCに対するリテラシーの違いが世代に現れているわけ。だから想像以上に年齢も大切。年齢だけで、すべてを判断するものでは当然ないが、これはきっと大きい。実際、山田元社長だって何だかんだいっても理工系だからね。でも……きっとそういうレベルでのオハナシではきっとナイっていうこと。
だから逆に、もともとdocomoと同じ根っこをもつauが、孫さんと同じ年の田中社長をトップに据えたってそれだけで刮目に値する。目立ちにくいけど、年功序列を破戒しているんだもの。若い世代からすれば似たようなオヂさんだけれど、ひと世代auは年功序列をスっ飛ばしているでしょ? これは歴史ある大会社のバアイ、凄いことなんですよ、きっと。
いろいろ固有名詞とか出しちゃったけど、言いたいのはこういう感じで「フラット化」してゆくんだろうな、ということ。特にハードウェア的に最先端でありつつ、パンピーにとっても衣食住の次の必須コモディティとなったスマホだからこそ、フラット化のスピードが激速いということ。
もしかしたら後2年くらいで携帯3キャリアのシェアって横並びになるかもね。
まあこれぞ「資本主義と自由」。
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