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いきがかり上、今年は積極的にスマホで遊んでいるわけですが・笑、なんか様々な情報と接しているうちに「auの田中社長ってのが、ソートーできる人なのでは?」と思い始めたのですね。
上の図は「MNP」の国内3キャリアの増減。
オレンジのライン、まずは「au」に注目してみましょう。
ダメダメだったわけですね。2010年の秋口まで。超下向きジェットコースター。コワっ。
でもってこのマイナスから上昇に向かうタイミングでじつは田中氏が社長に昇格しているんです。初のKDDからの社長。それ以前は経産省からの天下りとか電電公社人脈でした。なんか似ているでしょ・笑。ただし、なんだかんだ言っても今や大株主は京セラとトヨタですからね。ここは「激動の時代を乗り切るのは本当に出来るヤツを」ということでまともな人事を行ったのかも、と。
ちなみに2010年秋は、auが「Android au」ということで、全面的にスマホを打ち出したプロモーションも記憶に新しいです。もちろんキャラはレディ・ガガですね。今や徹子の部屋に出るまでオバちゃん達にも浸透しているガガ様ですが、当時はどうだったでしょ? 「Androoidってナニ?」というのと「ガガってナニ?」は国内において多数派には同義語だったはず。
ちなみにAndroidが国内に初登場したのはその1年前の7月。docomoから。じつはdocomoのほうが早い。けど、2010年の秋の段階で、ドカ~ンとAndroidを前面に打ち出したのが、au。ただし、細かいことはあまり説明しない。「外国から得体の知れないすんごいのがやってきた」を認知してもらえばいい、と。
代理店頭いいし、結構リスキーなトライだと今振り返っても思うけれど、やっぱりそれを良い意味で承認した代表は新社長の田中氏だったはず。
で、翌年のCFキャラって「嵐」なんですね。仲良し同士、男子も嫌いではないし、女子はもちろんオバちゃんたちにもウケがいい。また2011年の段階だと、「もしかするとSMAP抜くかも」的な勢いもありましたよね。彼らを狂言まわしにして、機種バラエーションやらスマホならではのメリットを多面的にCF展開し続けた。
日産同様、博報堂のエースチームが担当だと思うけれど、ガガでインパクト→嵐で優しく楽しく説明 とはなかなか……。しかも2011年の秋には「Android au」の舌の根も乾かぬうちに「iPhone 4S」を投入、と。やるな・笑。iPhoneだけが目立つけれど、実はWindows Phoneを入れているのはauだけだったりするし、ここは田中社長のいう「選んでもらう」の軸がブレていない証拠。
KDDIだって根っこはdocomoと同じ社風はあるはずなんだけれど、早い段階で田中社長は「垂直統合のビジネスモデルは変わる、変える」って言い放っているものね。これが社長がブレブレだと、「これからナニで飯食うんだよ」と団塊世代に突っ込まれてオシマイっしょ。
さて、ここでソフトバンクのグラフに注目。iPhone初投入は2008年7月。この段階ではあまりにiPhoneがエッヂすぎて、てんでSBのMNPに貢献していない。個人的には驚き(ただし、ワタクシはエリアが不安で新規で入りましたっけ……二台持ち)。で、火がついたのが翌年の「3GS」だったことが分かりますね。そして「4」になってから再び落ちているのが驚き。
話題性があるわりには孫さん意外と大したことなかったりして……。
グラフだけみればauのAndroid攻撃に負けた、と言えるかもしれない。もちろんよく知らないけれど、販売店レベルでの鬼のような低価格攻撃も併用していたらしいが……。
で、KDDIは昨年秋の「4S」でガキっと伸びて、ちょっと遅れてSBも伸ばしている。このタイムラグって何だ? 地方のdocomoユーザーが通信品質もあって、SBではなく「auのiPhone」にシフトしたというのが第一陣。そして比較的都会のdocomoユーザーがdocomoの冬モデルの様子みてから、SBへと移ったのではないか、と。なのでKDDIの増加率もこの時点で喰われている、と。
で、ガガ → 嵐 ときて今年のauは「巨人の星」であって、え゛ーって感じだけれど、星一族がキャラですからね。家族。嵐ではリーチできない、間違いなくオヤヂ層に向けてのauブランドのアピール。Androidがどうとか、iPhoneがどうしたではなくぅ、「auブランド」へシフト。
またここで今年は、クアルコムのチップセットの供給が追いつかないという「事件」が発生している。Android4.0への対応もしかり。特に前者は決定的。夏モデルがヤバい。そこでauはHTCとのタッグという隠し玉で夏休みを乗り切る姿勢。早いっすね「HTC J」のデリバリー。そもそもオタクな方々にはHTCのブランドイメージは絶大ゆえ、多数派には、ここは乃木坂46を前面に出して、特に「写真」の良さをアピールするという作戦。正しい……かも。← Android4.0であることは前面には当然出しにくい…
auとしては年末までにLTEを拡充する。チップセットも4.0も未成熟。そこで、夏モデルは流し気味。この判断も早い。ただし、従来ラインナップと、HTC Jでいただけるものは、ごっそりといただいちゃう……な作戦かな。4Sの人気もまだ落ちていないしね。
夏休みは写真撮る機会多い。移動も多い。しかもスマホ新規ユーザーは、スマホにややビビリ入っているのがフツーだから、「慣れる時間」も欲しい。6月末ならともかく、7月に入って「いつ出るか分からない」じゃ、商機逃すよね。実際。Androidだって4.0欲しいでしょ、フツー。だって半年前から宣伝しているんですぜ・笑。 しかもAndroid2.3モデルのOTAが遅々として進まないこともほとんどの人が知っている、と。
で、auの田中社長って1957年生まれだから比較的若い世代。これは完全にauの取締役が「あえて選んだ世代」でしょう。飛び越している、明らかに。ここで試しに孫さんの年齢調べたら、びっくり、同じ年。ゼッテーauは狙ったと思う、この人選。
田中社長は「LTE整備してもトラフィックは足りないから、WiFiスポット拡充している」と言っているしな。しかも、LTEとWiFiのシームレスな切り替え機能がキャリアにとって求められること、って半年も前に明言しているし、この前の夏モデルの発表会でも言っていたな……。
しかも、「HTML5」になるんで、今みたいに「アプリ、アプリ」と言っている時代は終焉し、同時に、iOSかAndroidかみたいな時代も終焉する、と。Facebookが昨今、「ブラウザのOperaを買収するのでは?」と噂されているけれど、これもその流れですな。アプリではなく、ブラウザそのものでFacebook環境を構築したいわけです。もちろんPC用も含めて。
そうそう田中氏のインタビュー読んでいたら「従量課金も基本的にはやりたくない」などという注目すべき一節を発見。いいね。
で、今月に入ってからのdocomoの店頭では完璧に「値引き競争モード」に突入しているよね。最初に仕掛けたのはauだったっていう説は置いておいて、仁義なきMNPバトルはさらにエスカレートしていて、同じ安いなら選べるほうが魅力的。これ当たり前。こうなってくると「商品」が当然大切だけれど、一番有利なのは、さてどこでしょう?
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