2013年10月8日火曜日

「ドコモとAppleはいつ契約したか?」


ケータイ・スマホ情報を主な生業としている方々の座談会形式のリポートを読む。そのうちの結構著名なおひとり様が「ドコモが最終的決断を下したのは(8月の)27日あたりではないか?」と発言していて、超びっくらこいてしまったワタクシなのでありました。


そこで、今回の「ドコモ版iPhone騒ぎ」を当方のプログで振り返ってみました。

まず、「ドコモ有楽町スマートフォンラウンジ」の臨時休業ですね。
本ブログでは、8月22日「まさか、ね・w」で記述しております。

じつはブログでわざわざ書くのもどうかな~とか躊躇したネタだったものですから、タイトルもおちゃらけているのですけれど、

ただ、基本的に年中無休の店。ショールームだけでなく、フツーのドコモショップとしての役割が大きいお店です。新橋駅から徒歩一分、それこそ背広族御用達のお店なのでして、よほどのことがないかぎり、年中無休が超大前提のはず......。そんなお店がよりによって9月11日(iPhone5s発表の日)に臨時休業です。やっぱり無視できないぞ、と。

結果としては正解だったわけですけれど、臨時休業の場合は3週間前にはお客様に明示すること。とかドコモの内規で決っているのではないか、と思うわけです。Appleとの契約タイミングとはまったく関係がないと思います。

次に9月2日に書いた「auのiPhone5s」です。

これはau田中社長自らが単独メディア(「Engadget 日本版」)に対して行ったインタビューという異例の異例ともいえるもの。既にiPhone5sが9月11日にはお披露目されるのは確定という中でのインタビューです。フツー、ギョーカイ人なら目を通すのでは?

ここで確信したのは「auのiPhone5sは800MHz帯に対応するみたい」ということ。これだけでもソートーなニュース。あと「きっと1.5GHz帯には対応しない」とブログでは記述しているけど、それも当たり。

このふたつだけでも結構な価値だと思います。

けど、インタビューの途中で田中氏がインタビュアーに対し「ところでドコモからiPhone出るのかな?」とあえて質問している箇所があって、個人的にはここで「ドコモからiPhone5s出る確率は7割以上」と直感したのでした。

スマートフォンラウンジの臨時休業が都市伝説レベルだったとしても、この田中社長のインタビューで「ソートー濃いぞ、こりゃ」と思ったのでした。

そして翌日の9月3日のエントリー「ドコモのiPhone5s」

9月2日に行われたau田中社長のオープンな記者会見内容からレスポンスしたもの。なのに、なんでこんなタイトルにしたのかと言えば、個人的には「もうドコモから絶対に出るわ、こりゃ」って確信したからなのでした。

auの社長自ら、これだけ動いているのですから、フツー気づく。っつーか、田中氏はアップルとの契約に違反しない範囲で「気づかせる」ために動いたとしていいと思いますね。狸、ともいいます・笑。

で、9月7日エントリーの、続「ドコモのiPhone5s」

日経のみならず、NHKまでが「ドコモ iPhone取り扱い」を堂々と報道している風情に、読み返せば、ワタクシ、かなり呆れていたことが分かります。アップルの鉄壁の守秘義務はどこにいったのでしょうか。というか相当信頼出来る“中の人”が積極的にリークしないとこうはならないと思うのですけど....。

で、このエントリーでは初めて「果たしていつドコモとアップルが正式に契約を結んだか?」を考察しています。

基本は「一年前」。そう素人は考えています。

「iPhone 5s/5c」の仕様が正式発表されたのは、9月11日。

国内3キャリアの対応する「iPhone5s」のLTE周波数帯は.........

ドコモ 800MHz帯、1.7GHz帯、2.1GHz帯。

au 800MHz帯、2.1GHz帯。

SBM (900MHz帯)、1.7GHz帯、2.1GHz帯。

2.1GHzは3キャリア共通の「Band 1」

1.7GHzは、基本はSBM用の「Band 3」(イーモバ)だと思うのですが、結果としてドコモの東名阪1.7GHz帯にも対応してしまっただけ、と思ったりします。たまたま、と。

で、auご自慢のプラチナ800MHz帯ですが、「Band 18」

ドコモの田舎山間部用800MHz帯、「Band 19」

つまり同じ800MHz帯でも別のバンドなんす。

ここでさらにガラパゴス島スペシャルに近い型番「A1453」以外のiPhone5s(他4タイプあり)をチェックしてみれば.......「Band 18」と「Band 19」のふたつに1台で対応しているモデルは他にはないのでした。「A1453」だけです。

ソートー早い段階から“ドコモ用”を念頭に入れて開発されたのは間違いありません。それとも、いつドコモが首を縦に振ってもいいように、Apple側が勝手にチューン施していた......のでしょうか。コストカットの鬼がそんな無駄をするとは思いにくいのですが......。

しかも今回の「A1453」は日本向けの単一モデルということで、「iPhone5」の時のようなau用とSBM用では型番が異なる。ということもありません。これは何より、世界で二番目のiPhone販売が見込める日本市場ゆえの生産流通のコストカットが目的だと思います。

このあたりの数字に関しては、本ブログ、続「iPhone 5c のナゾ」をご参考いただければ幸いです。

また生産流通そのものもAppleにとっては一大ミッションであり、当然、販売開始までに生産したものを溜め込んだ上で世界中に一気にデリバリーする必要があります。auとSBM用に生産していたものを、発売わずか3週間前の契約締結の結果、そこから三等分にしてドコモに配ったなんてことも、考えるまでもなくありえな~い。

さて、別の面から周波数と端末の関係を見てみましょう。

たとえばソフトバンクのイー・アクセス電撃買収事件

買収が発表されたのは、iPhone5発売騒ぎもまだ収まっていない2012年10月1日でした。

そしてその会見で不思議だったのは運用は年明けになる、と、その時点で明言されていたことなのでした。年末年始用のトラフィック強化ではなかったわけです。

で、イーモバの1.7GHzがSBMのiPhone5で使えるようになったのは2013年3月21日。この時「倍速LTE」という言葉が初めて使われています。

何と、5ヶ月近くも掛かっているわけです。

しかもSBM用のiPhone5に関しては、ハードウェアはそのまま、ソフトウェア・アップデートすら必要のないものだったのでした。政治的な何かがあったのかもしれませんが、基地局側の調整でそれだけの時間がかかった可能性もあるぞ、と。それくらい大変なんだぞ、と。

次に「auのiPhone5 が800MHz帯に何故か対応していなかった」の件

ずっと我慢して800MHz帯LTEの地味~に整備を続けてきたau。もちろんauは「800MHz帯」に対応するようAppleに申請したことでしょう。事実、Android端末に関しては、800MHz帯メインのモデルを2012年冬モデルとして提供開始しています。

しかしAppleは、「800MHz帯に対応せず、2.1GHz帯LTE基地局」の整備を優先するようauに働きかけたわけです。これは間違いなく、キャリアからの申請後にAppleが審査した後の恣意的、政治的な指示なんだと思います。

なぜなら昨年度「iPhone5」発売時点で、auが800MHz帯を運用開始したら、当時、2.1GHz帯のわずか5MHz幅だけで林檎商売をしていたSBMが即死してしまうからでしょう。

また今となれば......、ドコモにとってiPhoneが超気になる存在であると同時に、Appleも“金のなる木のiPhone”がグローバルな世界で飽和化してゆく中、日本最大のキャリアであるドコモに対して、並々ならぬ“欲”はもち続けていたのではないでしょうか。

Appleにとってはもしかしたら“最後のオイシイ~っ”かもしれないわけですしね。

昨年の段階では「auがSBMぶっちぎってしまう状態は良くない」という“auとSBMの二社の関係性のみ”で、「auも2.1GHzだけネ」問題を捉えていたのですが、当時、ドコモとの契約がAppleの視野に強く入っていたとすれば、SBM同様、ドコモもauにぶっ千切られてしまう可能性が高くなるのは絶対に避けたかったはずでしょう。

とにかく、auに対しては、「ちょっと待て」と。「2.1GHzのBand1に超前倒しで投資するのだって損にはならないだろ?」ということだったのでは? と。

確か2011年末の段階とかで田中社長が「どっちみち2.1GHz帯の整備は必要になるのだから、早めに進めていいんです」的なコメントしていたの覚えているのですが.......つまりこれも約一年前です。iPhone5発売の......。

おかげでパケ詰まりだとか、75Mbpsで電波吹いている基地局は、人口カバー率のわずか14%しかなかった.....おしおきっ b~y 経産省。とかいろいろあったわけですねぇ。

特に日本に関しては、3キャリアのレギュレーションを調整しつつ、一台でも多くのiPhoneを販売し続けたいApple、ということですよね。

フツー、やりますよ、そんなこと。

でも受信性能の検証テストとかもAppleはキャリアだけに任せるわけにはいかないので、キャリアからの周波数申請 → 政治的思惑も含めた審査・ネゴシ → 販売目標も含めた契約 → テスト機の製作 → 各国に実際に赴いての実機テスト・検証 → 量産プロトタイプ → 量産プロトタイプでの実機テスト なんて具合に時間のかかる行程を経ると思うのですね。

ただし、ドコモ「iPhone5s」に関しては、勉強してね.....的な意味あいは強いと思いますね。

2015年1月にサービスインする「日本の700MHz」帯は、ドコモ、au、イーモバルともに「Band 28」。Appleが3社に対応するのは造作も無いこと。ほぼイコールコンディションが実現するはず。もちろん「iPhone6」で、ですけどね・笑。

とにかく「一年前にはほとんど具体的な要項は決っているのだ!」と思っている素人がこれ書きました~。

いぢょ。

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