2012年7月21日土曜日

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↑ モニタスペックはわずか、0.2インチ違い。さぁ、どうする?


「えー、本日はご足労いただきまして大変ありがとうございます」

「こちらこそ」

「早速ですが、御社からのご提案を考慮させていただいた上での、弊社よりの具体的な要望をご案内させていただきます」

「よろしくお願い致します」

「では、まずバリエーションの“数”なのですが、御社にご用意いただくのは、計5台、5モデルとさせて頂きたく存じます」

「えっ、5台も、ですか」

「はい。次期、夏モデルは、弊社の基本方針といたしまして、全機種スマートフォン、全機種LTE対応としたく存じます。さらに全機種Android4.0とさせていただきます」

「えっ? フィーチャーフォンは……」

「ございません。フィーチャーフォンに関しましては既存モデルにて対応ということとなります。ここだけの話ですが、ご存知のよう、“3Gのトラフィック”という命題がございます。弊社と致しましては、とにかくこの夏もLTEという商品をですね、最前面に打ち出していきたいと考えております」

「は、はい……」

「そこで、ですね。従来より御社にお願いしてまいりました。ご高齢者用モデルをですね、ぜひAndroidにて新規開発していただきたく存じます。まずこれがひとつ」

「えっ、あれをスマホに、ですか?」

「はい。御社の技術力とノウハウをもってすればですね、独自UIの導入によって、カタチにするのも容易と存じます。とにかくLTE回線へと可能な限りシフトさせたいという弊社の事情がございます。まあ、なにせ膨大なユーザー様がいらっしゃいますので……」

「はぁ」

「そしてもう1台は、価格コンシャスなモデル。ぜひこちらも御社にチャレンジしていただきたいモデルとなっております」

「低廉なモデル、と」

「はい。ご存知のようにスマホのニーズは間違いなく高まっておりますが、いざ買い替えとなった場合、意外にハードルとなるのが“価格”です。マーケットが急拡大中ですので、やはり、価格が重要なファクターとなってまいりました。そこで、平均的な累積ポイントでカバーできる価格帯を我々はイメージしております」

「具体的には?」

「データ解析では、5000円前後とみております。ここにですね、長期契約割引等を加えますと、実質ゼロ円となります。窓口では“買い替え無料”とご案内できるモデルとしたいわけです」

「ん~。御社の大前提でありますところのぅ、すべてがAndroid4.0となりますとぅ、ちょっとぅプロセッサー価格との兼ね合いで厳しいラインかなぁ、と思うところなのですがぁ……」

「今年の夏、弊社が扱わせていただくモデルのうち、一社で5機種は最多となります。ぜひですね、そのあたりもご考慮いただいた上で、価格に対する技術的なチャレンジを、ぜひよろしくお願いしたいところでございます」

「あ、はい……」

「重ねて申し上げますと、アーリーアダプター的な、マニアックなお客様はもちろん、専門性の高い媒体等もあえて注目しないモデルになろうかと、存じます。ただし、弊社にとっては販売上、大変重要なモデルとなります。具体的には“指名買い”ではないユーザー層様ですね。フィーチャーフォンが古くなったので、店頭に訪れられた……次もフィーチャーフォンを、と予定されていたようなお客様です。何より店舗の現場スタッフがオススメしやすいことが大切です。大変重要となるのが“価格のハードル”ですね、それを御社の技術力をもって、何とかフラットにしていただきたいわけです」

「なるほど……」

「そしてもう1台はですね、女性向けを前面に打ち出したモデルですね、こちらをお願いしたく存じます。基本的には御社にご提案していただいた“女性向けモデル”の内容で結構でございます」

「ありがとうございます」

「ただし……」

「ただし?」

「ただし、弊社では、あともうひとモデル、女性向けイメージの強いものを用意する予定なのですが、そちら様とのイメージ的なバッティングを防ぐ意味で、当方からの新規のご提案がございます」

「な、なんでしょう……」

「基本デザイン、スペック等は、御社のご提案で基本的に結構です。ここに幅広い層に人気の女性ファッションブランドとのコラボモデルとして、話題性を高めたいと思っております」

「コ、コラボモデルですか」

「ブランドの選定等は弊社にお任ください。代理店様にもご協力いただいております。ボディカラーの選定や簡易な装飾等、プラスアルファとなる要素は最小限とする予定でございます。製品化の行程も含め、正式な内容をファッションブランド様とすり合わせた後に、御社の稟議にかけていただくという流れで、どうかよろしくお願い申しあげます」

「ちなみにそのブランド名は?」

「え~、現状ではまだご案内できる状況ではございません。暫しお時間いただくというカタチで、この件に関しては、このまま、お持ち帰りいただくよう、お願い申しあげます」

「ぜひ、お早めに、ぜひ……」

「ここまでで3台ですね。次に、御社提携会社様とのモデル。こちらは4.6インチ程度の標準的なモニタサイズを前提としていただきまして、新OSに相応しいプロセッサーをご選択していただき、な・に・よ・りも、発売後のトラブルなど一切なきよう、熟成といったコンセプトで、従来路線の正常進化というカタチで、ぜひお願いしたく存じます。こちらは基本的には男性ターゲットでございますが、女性でも“先端のスマホ”をとお考えになるユーザーを想定しております」

「熟成の方向ですね?」

「そうですね。御社にお願いいたしますモデルの中でも最も量販を期待したいモデルとなります」

「了、了解いたしました」

「ラスト1台ですね。これはですね、トップオブザトップ。御社の技術力の高さを象徴するモデルとなります。具体的にはですね、クワッドコアプロセッサーを搭載したモデル。御社からのご提案を強く勘案したものとなります。今の時点で他社様の具体的な各仕様に関しては申し上げられないのですが、クワッドコア搭載モデルは御社のみとなる予定です」

「えっ、うちだけですか?」

「そうです」

「あ、あちらは……」

「う~ん。ここだけのお話で……お願いします。もれ伝わってきた情報によりますと、クワッドコアモデルも用意されるそうですが、本国でのみの対応となりそうです。グローバルモデルに関しては基本的にデュアルコア。しかも弊社用に関しましては、御社同様、ワンセグ等の国内向け専用機能にも対応していただきますので……。ですから、ここはですね、未来も見据えた上で、ぜひ御社にクワッドコアを基盤とする、いうなれば“超全部入り”にチャレンジしていただきたく思っております」

「(やっぱり日本向けはないのか……。熱か、電池か。クワッド……。しかもウチだぇけ……)」

「ん。
何か?」

「いえいえいえ」

「以上、夏モデル、よろしくお願い申しあげます」

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