2012年1月9日月曜日

「南蛮屏風 by 狩野内膳」について

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神戸市立博物館収蔵の
「南蛮屏風」 by 狩野内膳 。

サイズといい、描写の緻密さといい、
顔料の高品質ぶりといい、
日本に現存する「南蛮屏風」の中では屈指の作品だそう。

秀吉おかかえの内膳の最高傑作。
同時に秀吉の財力の凄まじさを示す。

秀吉は1598年に没するが、
以降に描かれた作品だそうで、
豊臣家滅亡の翌年には内膳自身も没。

とにかく屏風には、南蛮船をはじめ、
ヒト、モノ、動物等が、きめこまやかな筆致で描かれている。
当時の雰囲気を知るには最適な絵と申せましょう。

昨今、歴史はもちろん
特に安土桃山時代がブームとのことだけれど、
グローバリゼーションによって、
南蛮の珍しいものが渡来してきたのは、
プラザ合意以降のわが国ととても似ている。

バブル以降の失われた20年、
政治経済どんどん内向きになってゆく様は、
江戸も末期ということでしょうか。

そろそろ開国ということですな・笑

で、当時の日本には主に
イエズス会とフランチェスコ会の宣教師が多く、
作品の中でも描写されているのですが、
着ているもの全然違う。

で、イエズス会のほうが、
まるっきり「へうげもの」なんかでも典型的な
利休の服装とクリソツなんだよなー。



フランチェスコ会のほうは、
「薔薇の名前」でショーン・コネリー演じた雰囲気と同じ。
きっとこっちのほうが質素。

ちなみに屏風は折れ目がありますが、
内膳はこの作品でも、
そのメディアの特性を活かして、要素をレイアウトしているそう。

フェルメールなんかでも深く感じることですが、
やっぱりモノホンを肉眼で見ないとだめでやんすね。

なにせヒトには基本的にふたつのレンズで
光を感じているわけですら。
レンズひとつのカメラとは違うのでありんす。


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